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2020年5月10日日曜日

東京都発達障害者支援ハンドブック2020が公開

東京都より発達障害者支援ハンドブック2020が公開されました。
前回は2015でした。

2014年7月に国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報支援センターが吃音は発達障害であることを説明してから(本来は吃音の旗艦病院である国立障害者リハビリテーションセンター病院がやるべきでしたがなぜかやらないので支援センターからでした)、すぐに東京都も吃音は発達障害であることの説明をはじめ。なおかつASDやADHDやLDやトゥレット症候群等と併存する可能性もあるという説明をしています。

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shougai_shisaku/hattatsushougai.html?fbclid=IwAR2jTjH1pkMAytgSHz6nmkR4AQAFk-G_b-Q1--s19ZwFwekWWH2Dw-14xGQ


ハンドブック2020では吃音の団体が掲載されていません。
これは、事情をご存知の方もいますが。
吃音業界のとあるNPO法人が「個人正会員を廃止したこと、少数の人の意見を吸い上げないようにしたこと」、東京都が吃音を発達障害者支援ハンドブックに掲載した後、「吃音を発達障害にするな」という謎のご意見がよく来ること、「吃音団体がJDDネットに入ってはいけない」という言語聴覚士の公開要望書があったこと、都内の学校で吃音の子どもやその保護者を集めたイベントをしている団体が「障害者はかわいそう・障害者手帳を取るのは恥ずかしいと教えている」などなどが影響しています。こういうものは結局、政策判断をする際に影響を与えてしまうのです…。恥ずかしい限りです。

以上のことから今回のハンドブック制作にあたり、吃音の団体を掲載することがふさわしいとは思えない。という判断に至ることになったのです。

しかし、東京都では、吃音業界以外の発達障害児者・保護者の会・当事者会が動きました。「うちの団体にも吃音の人がいます。子どもASDと吃音を持ってます、ADHDと吃音です」などの事例があるため。都内の団体から吃音についても取り組んでほしいということで東京都は吃音やトゥレット症候群を診療するという病院リストを新たに公開もしてくれました。病院リストについては、吃音やトゥレット症候群を個別に調べることができます。ただ、その病院が小児科? 児童精神科? 精神科? という部分も調べなければいけません。

小児科、児童精神科の分野では東京都経営の病院がありますので。第一の選択肢として
よいでしょう。お子さんの吃音以外の発達障害について相談できることになります。(またはお子さんが吃音だけだと見落とされたいた場合もその他の発達障害が発見されて早期療育につながれます。吃音も現在、国リハ等が実施している吃音治療プログラムを早期に利用できれば吃音の状態が良い方向にいく可能性があるのと同じで、発達障害も早ければ早いほど良い方向に行く可能性が高まります)

その後、公立病院が年齢制限になったときに、どこにつながるか?になります。ここは公立病院の精神科医師が教えてくれるはずです。自分の先輩がクリニックを開業しているなど。そういうところにつながるでしょう。

問題は大人になってからの吃音診療です。精神科医師といえども。耳鼻咽喉科の診療情報提供書が必要だという場合もあるため。電話、メールなどで事前にしっかり問い合わせたほうがよいでしょう。


吃音業界は相変わらず、発達障害業界と一緒に歩もう、同じ団体に入ろうということはなく。一緒に何かイベントをしようということはないのですが。発達障害業界は吃音の人も普通にいるよねという優しい気持ちで助けてくれます。本当に吃音至上主義がなくなることを心より祈っています。吃音で困っている、吃音の他に発達障害を持っているけど。どうも既存の吃音業界に相談してもモヤッとする。という人、保護者さんはぜひ発達障害児者団体・都内の親の会に相談してください。使える制度、制度申請の方法、学校とのやりとりなど先輩保護者からの引き継ぎが、情報共有がしっかりされています。


2019年5月12日日曜日

【吃音Q&A】吃音のある人の就職活動ガイドライン 吃音者はなぜ就職困難者が多く、一方で成功している吃音先輩は後輩を助けないの?

この記事は随時更新していきます。

人事担当、就労移行支援などに所属する方、行政の方、支援職の方で吃音についてもっと知りたいという場合は
こちらから連絡をお願いします → https://kitsuonkenkyuguideline.jimdo.com/


吃音至上主義(きつおんしじょうしゅぎ)という一部の吃音当事者や家族、それに携わる医療従事者や支援職、教員がもつ差別主義思想についてはこちら
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2018/12/blog-post.html



記事本文

吃音のある学生、大人の就職活動…。
テレビ、新聞、ラジオ、書籍と幅広く吃音が扱われています。
書籍やドラマ、アニメ作品などでも「吃音をもったキャラ」がそこそこ登場してくるようになりました。

――― 1 吃音のある人の生き辛さ、就職活動を扱った番組の紹介


2017年にはNHKハートネットTVで(残念ながら貴重な映像やテキスト書き起こしが
消滅しています)
https://www2.nhk.or.jp/archives/chronicle/pg/page010-01-01.cgi?recId=0001000000000000%400000000000000000000000-51-162700000000000000000000

2018年にはAbema TVで。
https://www.huffingtonpost.jp/abematimes/stammer-20180613_a_23457526/

テレビ東京系列では 2019年3月30日(土) 27時45分~28時15分に。
https://www.tv-tokyo.co.jp/broad_tvtokyo/program/detail/201903/17690_201903302745.html

日本テレビ系列では 2019年3月3日(日) 24:55に。
http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-126.html


一方でそれらの放送を見た人が吃音のある人達の就職活動の仕方に疑問もつ人もいます
https://anond.hatelabo.jp/20171012000353


――― 2 吃音のある人はなぜ就職活動で失敗するの 一般枠でカミングアウトするの?

吃音のある人、新卒就職活動をする学生、既卒の大人。
どうやって就職活動をしますか?
2020年現在、新型コロナウイルスが世界に暗い影をおとしています。
2020年4月、2021年4月採用の新卒就活はすでに各種新聞やテレビで報道されているように、内定取り消しや新卒採用を行わない、人員整理を検討等の情報が出てきています。
吃音当事者さんで一般枠と障害者枠のダブル新卒就活を真剣に考えている人もいるかもしれません。ダブル新卒就活は選択肢としてアリです。一生に一度の「新卒カード」使える選択肢をすべて、手持ちのカードを使い切って望むか。障害者は嫌だ。精神障害者保健福祉手帳は嫌だ。発達障害と呼ばれるのは嫌だ。というかたは仕方ありませんが。障害受容のできている吃音当事者さんは頑張ってください応援します。



就職活動には5種類あります。
イ 障害や病気、難病をカミングアウトせず、告白せずに一般枠で就職活動をする場合
ロ 障害や病気、難病をカミングアウトして、障害者枠で就職活動をする場合
ハ 特別強力なコネを使い一般枠や障害者枠で就職する方法
ニ 自分で起業して働く方法
ホ 一般枠なのに吃音カミングアウトしてしまう 

1に書いた吃音を扱った番組でも、数人の男女が「一般枠の就職活動において、エントリーシートや履歴書、面接で吃音当事者であることを伝えています」
しかしこれは一般枠採用では許されません。許容されません。
合理的配慮を行うにあたり、採用、雇用する側に「法定雇用率に計算できる」というメリットがないからです。一般枠採用で想定されている100%の職務内容を遂行できない可能性がある人を一般枠で採用したくないのが本音と建前の世界なのです。

吃音があるとカミングアウト、告白してくるなら「法定雇用率に計算したいので障害者手帳を持ってきてほしい」というのが雇用側の思惑、これがセオリーとなっています。

一方で、発達障害のある人を支援する就労移行支援事業所でしっかりと、「採用、雇用する側は法定雇用率に計算したい」という本音と建前を当事者が教えてもらい『児童、学生時代は自分がお金を払っている側、お客様だったので合理的配慮を受けやすかったこと、一方的な過度過重な合理的配慮でも通用することがあったなど』の事例裏事情を知ります。

『しかし、働いてお金をいただく立場、雇用される立場での合理的配慮は過度過重な合理的配慮が実現されないこと。合理的配慮は【双方の話し合いで実現できることできないことが話し合われ落としどころを確定すること】合理的配慮を当事者、雇用する側、就労移行支援事業所との3者間で書面化すること』などが、吃音業界ではほとんど浸透していないのです。

そうとは知らず玉砕していく、就職活動に失敗する吃音当事者がいることになります。

――― 3 吃音当事者先輩の就職活動実体験、体験談文集、体験談を集めた書籍を信じてしまい一般枠で吃音カミングアウトを繰り返す吃音者がいるのはなぜか?

吃音当事者がなぜ、一般枠で吃音をカミングアウト、告白して就職活動をしてしまうのでしょうか?

これはシンプルな答えです。
発言力のある、社会的に成功している吃音者当事者先輩たちの体験談や講演内容を信じてしまうからです。このような成功体験を吃音当事者の子ども、学生、そして家族保護者が信じてしまうのです。自分も同じことができるはずだ。うちの子どもも同じことができるはずだ。発達障害業界でも一昔前は似たようなことがありました。それを未だに吃音業界は実行しているのです。そもそも人間は一人ひとり異なるというシンプルな視点が欠落してしまっているのです。

※社会的に成功している吃音者とは
これは国公立大学を卒業している、有名私立大学を卒業している、医師、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、教員免許、言語聴覚士、公認心理師、一部上場企業で働く、地方公務員として働く、国家公務員として働く、準公務員として働く、研究者として働く、自分で社長をやって経営しているなどなどのメンツです。

社会的に成功している吃音者当事者先輩たちは、就職活動で困っている吃音当事者後輩を助けるでしょうか? いいえ。助けません。就職活動で困ってる後輩を堂々と切り捨て、見捨てます。そして、「私は堂々とどもって仕事をしてる、私は吃らないように方法を編み出した、私のようにやらないからだ、私のように勉強しないからだ、私のように努力しないからだ、私は結婚している、私は子どもが孫がいる、私はマイカーを数台持っている、私は自宅やマンションを購入している、私は 私は 私は自慢話、etc etc 成功体験ばかりを延々とエンドレスリピートされます」こんなひどい仕打ちをしてきます。

社会的に成功している吃音者のみが参加できる、スタッフとして活動できる「小学生、中学生、高校生、大学生を対象にした吃音団体もあります」

ここの運営手法が秀逸なのは、メーリングリスト上で「Aさんは国立大学に進学しました、Bさんは私立大学に進学しました、Cさんは医学部に入学しました、Dさんは言語聴覚士になりました、Eさんは学校教員になりました、Fさんは公務員になりました、Gさんは東証一部上場に正社員として働くことになりました、Hさんは研究者になりました、Iさんは結婚しました子どもができました」と実名でどこのだれが、どこの学校に進学したか、どの企業に採用されたか、どのような国家資格を取得したのか、どこに所属しているのか。これらをメーリングリストに毎回毎回流してくるのです。吃音当事者間で『ヒエラルキー形成、マウンティング、格付け』が行われていることになります。
(もちろん参加しているスタッフの中には特に医療従事者などの資格を持つスタッフは、これが異常、オカシイことであると気づいている人もいるでしょう。なぜマウンティングするのか、なぜヒエラルキーを生むようなことをするのか、と気づいているけれどそれを指摘できないという状態に陥っているかもしれません。その場合は、まず、時間が経過するのを待ちましょう。先輩方も人間という生命体ですからいずれは引退していくことになります。若い世代や新しい価値観を持った人が増えてくれば変化します。すぐに変化させたい場合は、別に新しいグループや団体を作ってもよいでしょう。)

そして最終学歴卒業後に、就職できなかった吃音当事者、ひきこもりニートになってしまった吃音者当事者、社会的に地位の低いとされる職業や非正規職員として働く吃音当事者が『小学生、中学生、高校生、大学生を対象にした吃音団体』に参加しにくい雰囲気つくり、空気を醸成していくのです。本当に困っている人はその場に行くことが苦痛になったり、気分が落ち込んだり、自然とフェードアウトしていく仕組みが作られているのです。恐ろしいことです。こういうものも 吃音至上主義 です。

本来、精神障害、発達障害、身体障害、知的障害に関係なく、どのような人も参加できる、安心安全な当事者会、親の会、保護者会、全国団体であることが望ましいです。
しかし吃音業界は安心安全な会の運営という意識が欠如しているのです。


そして就職活動がうまくいかない後輩のために、自分が所属する組織、企業団体の人事担当、人部を説得してくれるなんてことはしません。

『私の働く「・・・・官民企業団体名・・・・」は吃音があっても働けるよ、人事を説得したら応募しておいで』という篤志のある素晴らしい吃音当事者先輩は存在しません。みなさん。『自分はこうだった。私はこうだった。キミもできるはず。努力しろ。勉強しろ。乗り越えろ。吃音を治せ。吃音を治すな』などなど自慢話ばかりです。本当に優れた先輩なら困っている後輩吃音者を助けます。でも「私の就職体験」などの自慢話で終わることが多いです。

精神科医師、社会福祉士や精神保健福祉士なら誰もが直感で『これは価値観の押しつけだ、パターナリズムだ、バイスティックの7原則が守られていない。』とわかるわけです。成功している人も、成功していない人も、それぞれが別人格でひとりひとり異なり、支援方法は完全に異なること、過去の事例で似たようなことがあったから、今、相談支援している人も似たような内容でいいやではなく、しっかりと当事者と向き合い個別の支援計画を考えるわけです。


また、吃音業界に所属する医療従事者は「吃音のある人に対して、学校に行くこと、就職することがゴールである」という価値観を持ってしまっている人もいます。精神科医師、そこに隣接する社会福祉士、精神保健福祉士ならそういう強制、強要、価値観に誘導するということはありません。これも吃音業界の不思議な部分です。「今の安定した生活を継続する」という選択肢は出てきません。学校に行かせること、就労させることがゴールになっているのです。

成功している吃音者が困っている後輩の吃音当事者「就職できないよ。どうしようどうしよう」とテレビ取材などに出演しても『よっしゃー、俺が、私が働いている会社に来い! 人事部を説得したぞ。一般枠採用だぞ! みんなうちへこい!』とならないのは、そもそも吃音があって成功していると成功体験を発表している当事者は『実際のところ所属組織において吃音があることをカミングアウトしていない。堂々とどもっていない、どもらないように話しているのではないか? 後輩吃音者にカッコつけるために創作を発表しているのでは』と思います。吃音に限らず障害当事者のコミュニティではまぁまぁあることです。カッコつけたい。評価されたい。など理由があります。

本当に堂々とどもってカミングアウトしているならば、マスコミ取材で吃音が扱われれば、堂々とどもって働いている吃音者がいる企業団体が、それらを情報発信するはずです。先進的な企業としてバズるはずなのです。そして何よりも、就職活動で困っている吃音当事者が『ありがとう先輩! このXXXと企業は組織はすごいですね』となるはずですし。インターネット上に『どもりまくってOK、一般枠採用でOK、法定雇用率なんて知りません!』という企業団体がリスト化されても良い頃です。しかしそういうモノは一切出てこないのです。


――― 4 自他分離をしっかりしよう 吃音当事者も保護者家族も 自分は自分、私は私、あの人の事例はあの人個別の事例だと認知を改めましょう そして使える選択肢、カード、機会を堂々と使っていきましょう 吃音至上主義という差別主義にも気をつけて

自他分離という言葉を知っていますか?
自分とそれ以外の人は、異なるもの、自分と他の人は違う人です。
しかし自他分離ができていないと、「自分が考えていることは他人も同じように考えている。自分も同じことができるかも。相手と自分自身の境界線が曖昧になる」などのことです。これができていないと、成功している吃音者先輩に自分もなれる。成功している吃音者先輩のように私の吃る子どもも将来絶対に成功する、幸せになると勘違いしてしまう可能性もあります。自他分離ができていないと誰かにコントロールされたり、誰かをコントロールしてしまうこともありえます。

人間という生命体は生まれた国家や保護者、保護者の裕福さ、生活レベル、学校に行くことができたか、できないか、イジメを受けたか、受けないか、不登校になったかならないか、ひきこもりになっているか、なっていないか etc etc

生まれ育った環境や成長過程で関わってきた人間関係、保護者家族が裕福なのかそうではないのか? 更に保護者家族、親類縁者の精神障害や発達障害へのイメージがどのようなものか? 障害のある人はかわいそうな人なのか? などなどの価値観によって大きく変化します。

自他分離ができていないと、「特別に、その人だから、その人が生まれた家だから、その人が育ってきた環境だから、その人が出会ってきた人間関係……略」そういう条件があったという客観的な認識ができず、その人のその環境、親の収入、その人間関係、……だからこそ成功した吃音者になれたということが理解できず。なぜか自分も成功した吃音者になれると思い込む勘違いすることになるのです。さらにそこに吃音至上主義による障害者やマイノリティへの差別の心があれば、それも受けれ入れてしまうでしょう。

吃音のある当事者の保護者にも東証一部上場企業の役員に名前を連ねている人もいます。こういう場合はその保護者が「吃音を持った子どものために、不労所得を獲得できるように不動産や株式証券をのこすために準備している裕福な保護者さん」、「転入や学部変更などを駆使し何度も大学や大学院(果ては医学部にまで)に通わせる裕福な保護者さん」という事例まであります。これは保護者がお金持ちの場合ですね。保護者がお金持ちの場合は、飛行機や新幹線を頻繁に使って、吃音を診療する病院として有名な国立障害者リハビリテーションセンター病院に通わせるというゴリ押しもできます。

一方で収入が平均程度、または貧困と呼ばれる家庭では吃音の専門病院に通わせることも困難です。たとえば、吃音が発症してからXヶ月いないに、「●●●●プログラム」を使えば、将来的に子どもの吃音が回復、改善、完治するかもしれないという「その選択肢を、そのカード」が保護者の収入格差によって選択できない可能性もでてくるでしょう。2019年以降は、『親、保護者の収入格差により、吃音を治してあげることができなかったという十字架を一生背負って後悔していく親、保護者がでてくる』可能性もあります。お父さんお母さんが貧乏だったから、子どもに使えたはずの選択肢を提供することができなかった。という十字架です。これも自他分離がしっかりできていれば客観的に考えることができます。病院がなければ自治体や議員にマスコミに申し出る。たとえ吃音が大人になっても継続したとしても、社会保障制度、障害者手帳制度を使おう、使うことは恥でもステイグマでもない。人間という文明社会で使える制度や仕組みを使って生きていこうと考えることができる可能性が高まります。


これらの課題を解決するために、吃音当事者も、吃音のある子どもの親、保護者は既存の吃音当事者団体、吃音業界の団体に入会所属するよりも、既存の大きな発達障害当事者団体、親の会、保護者の会に参加して、発達障害種別による差別、人権の優劣といった吃音至上主義を無くしつつ、発達障害のことも理解して、吃音のことも理解して、お互い協力して「困っている人の権利擁護」を行っていくだと思います。例えば前述した、親保護者の収入格差により病院に通わせることができない場合は、発達障害者支援法(専門的な医療機関の確保等)
【第十九条 都道府県は、専門的に発達障害の診断及び発達支援を行うことができると認める病院又は診療所を確保しなければならない。
2 国及び地方公共団体は、前項の医療機関の相互協力を推進するとともに、同項の医療機関に対し、発達障害者の発達支援等に関する情報の提供その他必要な援助を行うものとする。】
に基づき、都道府県レベル、自治体レベルで要望要請書、地方議会で質問してもらうことなどにより問題提起していくことが重要になります。マスコミにも取り上げてもらいましょう。

繰り返してクドイですが自他分離は大切です。
吃音のある子ども、学生、家族保護者は
『無意識のうちに、成功している吃音当事者先輩に僕も私もなれる、うちの子どもも将来は医者や弁護士や公務員、一部上場企業(略)に就職できる!! 精神障害や発達障害、知的障害を持った人は不幸、かわいそう、吃音のある人はそんな人、あんな人たちと一緒になってはいけない、されてはいけない』という価値観を植え付けられていくことになりかねません。自他分離をしっかりしていきましょう。


しかし誤った吃音への価値観、障害者への差別の心、障害者はかわいそう、障害者枠は給与が安い出世ができない、障害者として生きるのは恥である、税金を食いつぶす側になってしまうなどの偏向した価値観をもってしまうと「堂々と一般枠で吃音を持っています!とカミングアウトすること」にもつながります。

本来なら、新卒障害者枠採用という一生に1回だけつかえる、貴重なステータスを使えたかもしれない、その機会を利用できずに、就職できなかった状態で学校を卒業してしまう人もいるのです。


――― 5 吃音のある人、子ども、学生、保護者、家族は消費者庁の解説をよく読んでみよう

吃音のある人は本当に頭が良いのか 社会的に成功した人になれるのか?

吃音業界の不思議の1つに。
吃音のある人は、天才 秀才 優秀 頭の回転が早い すごい先輩がいる論があります。

とくに吃音のある子どもやその保護者向けに「吃音のある子どもはこんなに優秀なんです。安心してください。吃音のある人は優秀です。私は吃音があるのに社長になった。私は吃音があるのに営業トップ成績だ。私は吃音のある人はみな頭の回転がよく優秀な人多いと思う」などなどを表現する吃音当事者、吃音先輩は本当に厄介です。医療従事者や言語聴覚士がこのようなことを言っている場合は本当に事態は深刻です。発達障害業界の精神科医師や言語聴覚士であれば、まずこのような無責任な発言はしません。

吃音を持った人にはとても優秀な人がいる。

総理大臣、議員、王族、医師、弁護士、経営者、取締役、一部上場企業勤務、国家公務員、地方公務員、言語聴覚士、エンジニア、航空自衛隊のパイロット、海上自衛隊の潜水艦乗組員、消防員、救命士、学校教員、精神保健福祉士、社会福祉士、スポーツ選手、レーサー、芸能人、音楽家、表現者――などなど。


こういう偉大な先輩達がいますよ。という説明は本当に困ったものです。

これは吃音以外の発達障害でも全く同様です。

歴史上のあの人物は発達障害があった、2019年現在生きているあの人も発達障害だ。

あの経営者も、あのエンジニアも、あのハリウッドセレブも、あのひともあのひとも(以下略)

だから僕も私も、うちの子どももきっと天才に違いない。有名な人になれるはず。

幸福な人生を送ることができるはず。高い収入を獲得できるはず。

これも結局は自他分離ができていないことになります。

たしかに一時(いっとき)だけはその言葉、その表現に安心する当事者、その家族はいるかもしれません。しかし本当にそうでしょうか?

豊島区にてホームレス支援をするNPO法人があります。

ここの職員さんの話として、「路上生活者をしている人の中に吃音の人がいましたよ。吃ってました。昔は工場やトラック運転手として働いていたそうです」ということでした。

不思議ですよね。吃音のある人のエピソードでは全く出てこない事例です。路上生活をする吃音者、トラック運転手や工場で働く吃音者。みなさんは聞いたことあるでしょうか?

別の事例として、ひきこもり歴ウン十年で父母の年金で暮らすひきこもり当事者の中に吃音のある人がいるという事例もあります。8050問題として今後、報道もされてくるかもしれません。もしも8050問題の当事者とその父母の中に「吃音で困っている人が出てきたら」既存の吃音業界はどのような反応をするのでしょうか? 「うちの団体にこなかったのが悪い、ひきこもっていたのが悪い、だからそんなことになったんだ!」と平然と切り捨てるでしょうか??

実のところ吃音のある人はいろいろなところにいます。たまたま吃音業界の、吃音当事者会に参加できている人がいる一方、そこには参加しない人、または吃音とは別の当事者会に参加している人もいます。精神障害、発達障害を持った人、知的障害を持った人の中にも吃音を併存している人もいます。

―― 吃音のある当事者、吃音のある学生、他の人の体験談を吃音当事者や家族が聞くときはどうしたらいいの?

これはとても重要です。

消費者庁が行った 「打消し表示に関する実態調査報告書」https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_170907_0003.pdf があります。



この報告書の中に興味深い表現があります。

テレビやラジオ、インターネットでの通販でよく使われる文言です。

下記の説明を「吃音のある先輩学生、吃音のある先輩、吃音のある社会的に成功している人の話を聞く場合」に思い出してください。体験談集という文書、講演会、親保護者に体験談を聞かせる場合、以下のことを思い出してください。これも自他分離の1つです。



・消費者庁の解説から

体験談型 体験談に関する 注意書き 楽しく ダイエッ ト!! 毎日すっきり起きて、 体重が5kg減り、着られ なかった服がぶかぶか になり、周りからほめら れるようになりました。 



・「個人の感想であり、効果には個人差があります」 ・「個人の感想であり、効果を保証するものではありません」 ・「個人の感想であり、 効果、効能を表すもの ではありません」


非保証型 (体験談を記述 せずに、)効果、性能 等には個人差がある旨や、効果、性能 等を保証するもの ではない旨を述べ る注意書き 10 時間効果が持続!! 



・「結果には個人差があります」 ・「気持ちを表すもので、効果効能を保証するものではありません」



――― 6 吃音のある人はどうやって就職活動をすればよい?

「2」でこのように説明しました。


就職活動には5種類あります。
イ 障害や病気、難病をカミングアウトせず、告白せずに一般枠で就職活動をする場合です。
ロ 障害や病気、難病をカミングアウトして、障害者枠で就職活動をする場合です。
ハ 特別強力なコネを使い一般枠や障害者枠で就職する方法
ニ 自分で起業して働く方法
ホ 一般枠なのに吃音カミングアウトしてしまう

まず吃音当事者で就職活動をする人は「一般枠なのにカミングアウトしてしまう」というとてもリスクの高い行動をする人がいます。これは前述したようにさまざまな吃音業界独特の価値観、差別意識、自他分離の欠如、先輩の話を鵜呑みにしてしまう・自分も実現できると思い込む・そのこだわりを変化させることができなくなる、安心安全な会運営ができないなどが関連しています。

発達障害のある人を対象とした就労移行支援事業所では。
まず、イとロの説明をします。これが今現在の日本で実行できる就職活動だからです。そして稀ですがハを使える人もいます。ホは発達障害当事者でも難しくあまり事例はありません。そして可能であれば一般枠と障害者枠の両方で就職活動することを助言してきます。当事者しても一般枠と障害者枠両方で就職活動をすれば可能性が高くなるからです。一応就職活動が解禁される半年前には障害者手帳を取得しておいた無難です。医師、病院とよく相談したり、学校のキャリア支援室、学生支援室、障害学生支援室などと話しあいを重ねましょう。

さらに、エントリーシート、履歴書、「私の取り扱い説明書、私の障害特性説明書、私の障害説明」などの書類の書き方も就労移行支援事業所では教えてくれるので、吃音のある当事者はこういった書類の書き方も勉強することが大切になります。

なぜ日本では「イとロ」が一般的なのか?
これは「一般枠で働く場合、一般枠で成し遂げてほしい、こなしてほしい職務、業務が決められているからです、それに対しての対価として給与を支払うのです。」この場合、はっきり言うと、「吃音でうまく話せません、合理的配慮を希望します」と伝えると企業側としては、こなしてほしい職務、業務を実行遂行できない人には「ご縁がなかった、お祈り、貴意に添えないなど」不採用されてしまいます。応募してきた人を一般的で採用難しい場合、だけども人材としてほしいという場合は非公式な手段で「障害者枠で応募しなおしてくれないかな?」と天の声が聞こえる場合もあります。

「ロ」の重要な部分は、当事者のほうは「これらの合理的配慮を希望する」、そして雇用採用側は「私達が提供できる合理的配慮はココまでです」という話し合いが実現できるかどうかです。

吃音業界の医療従事者や支援者が勘違いしていること、よくある勘違いとして、給与をもらう立場になっても合理的配慮は100%実現される!! と認知している方々がいることです。これは障害者差別解消法が雇用される採用されるときにも完全に再現されるという間違った認識をしているからだと思います。後述のように学校であれば、お客さまの立場であればこれは可能です。しかし給与をもらう場合、働く場合は、【障害者雇用促進法】の重大なキーワードである「話し合い」が必要とされます。一方的な合理的配慮要求をする、吃音があるのに話す仕事、話す業務職務にこだわると採用、雇用側からお断りされることもあります。

障害者雇用促進法の合理的配慮指針
 厚生労働省の説明
 
 ウェブ・サーナの解説

『児童、学生時代とことなり学校側に授業料を支払う立場ではなく、官民企業団体で働く場合は当事者がお金を給与をもらうことになります。この場合の合理的配慮は働く側と採用側、そして就労移行支援事業所やジョブコーチ、その他の支援機関や支援者で話し合って落とし所を決定することができるか? 双方が話し合いどこまで合理的配慮が実現できるかを確定させることが必要になります』このあたりは、リタリコさんが合理的配慮ハンドブックを公開しています。

例えば身体障害の場合はハード面の支援、スロープ設置や設備を変更する、職場内も出入り口に近い席にする、と物理的な支援、合理的配慮で済むことが多いのですが、発達障害、吃音の場合は、当事者ごと、ひとりひとりの症状の特徴、障害の程度により、ことこまかく、個別に合理的配慮について考えることになります。そしてそれが採用雇用側が実行できるのか、実現できるのか。の話し合いになるわけです。

発達障害という障害はコミュニケーションの障害と言われるように、「発達障害当事者と誰か一人以上の人間と読む、書く、聞く、話すというコミュニケーションをする場合に何らかの困りごとが出てきます」

定型発達者(健常者であれば)、「あーあれね。あの話ね。今日の会議で話したこと、結論はこうだった」とあれやこれやそれ。空気、最終的にはどの方針に決定したか? などを理解することができます。発達障害者の場合はこれらが特徴特性によりうまく認識できない人や認識するのに時間がかかる人、間違った認識をもったまま仕事をしてしまう事例もあります。

吃音の場合は(どもることによる発話発語の特徴特性のみに限定すれば)、「相手とのコミュニケーションに、時間経過、相手の時間を使う、相手の時間を奪ってしまうことが想定されます」 こちらは別記事にまとめましたのでこちらをご覧ください
→ 【吃音Q&A】吃音は発話発語の障害 そして相手、聞き手の時間を奪う障害 吃音者への合理的配慮 障害者雇用か一般枠雇用か?

相手に時間を多くとってもらう、聞いてもらう(吃音があるから最後までどもりながらも話し続けさせて → 過度過重な合理的配慮になりかねませんが…)ことにより、相手、職場の同僚、取引先、一般消費者とのコミュニケーション時に発生する総合的な時間が定型発達者よりも多く時間が必要になるのです。 とくにNHKのプロフェッショナル 仕事の流儀「真夜中の東京スペシャル」 は吃音のある人が合理的配慮を希望した場合難しい場合が理解できます。

たとえば生命の危機、命のやりとりをする仕事、業界、専門職の場合は吃音による『吃る時間』は重要になります。ERや緊急手術、ドクターヘリ案件、銃火器をつかう可能性がある職務、緊急車両が通過しますアナウンスをする職務、他国の航空機や船舶と緊急事態になる可能性がある職務です。 1分1秒で「誰かが死ぬ、患者が死ぬ、自分が相手に発砲されて死亡する可能性、自分が相手に発砲しないと自分が死亡する可能性、所属不明機に呼びかける場合、航空管制官、緊急車両が通過する、交差点に入る、反対車線を走行するなどなど」こういう1秒単位で刻々と状況変化する場面で『吃音の合理的配慮として、どもりながら話したい、どもっても最後まで言わせてほしい』というのは過度過重な合理的配慮になります。吃音を合理的配慮するために、事故がおこる、誰かが死ぬ、自分が死ぬ、市民が死ぬ、相手が死ぬというのは大変なことだからです。

吃音当事者先輩の中にも吃音があっても命のやりとりが行われる職務、業務に携わっている人も実際のところ存在しますが、今までは大丈夫であったとしても今後悲しい出来事が起こることもあるかもしれません。


――― 7 精神障害者保健福祉手帳による法定雇用率達成は2019年以降、発達障害者が重宝される、マーケットになると予測されている

2019年2月1日に開催された「発達障害学生白書」出版記念講演

この講演会はNHKの取材、各地の就労移行支援事業所スタッフ、大学教授、医療従事者、発達障害当事者などなどが参加していました。マスコミ報道では重大な部分が報道されませんでしたが。とくに登壇者である、保護者、大学教授、専門家、経営者視点の本音による話や今後の発達障害雇用情勢はリアルなものでした。シビアともいえます。

今後、新卒学生の新卒カードを持っている状態で、なおかつ法定雇用率に計算できる精神障害者保健福祉手帳を持っている状態で、さらに! 求職活動中の成人発達障害当事者がサービス受給者証を利用して通所する就労移行支援事業所で実際に行われている厳しい訓練を大学生時代に受けていることが望ましいという人事業界HR業界からの声が紹介されました。

これは本当に驚くべきことで、人事業界HR業界では「障害者にまで床上手な処女を、ハイスペック障害者を、ステータスマックス、レベル99障害者などなど」の新卒学生を求めていることになります。 なぜ発達障害なのかというと、発達障害の場合は精神障害のように勤怠の安定の課題が無いから(自立した自己管理ができている発達障害者という認識が採用側にあるよう)ということです。とりあえず、平日5日間、または土日も入れて5日間、しっかり朝から夕方まで働いてほしい。それが実現できるのは発達障害者であるという講演会やセミナーを行っている事例もあるからです。

さらにそこに「kaien」で行われているような、本当の実在の職場に近い、厳しい訓練内容をしている就労移行支援事業所で行っている訓練を、大学や高校や高専でやってほしいというのです。新卒採用した障害者枠、発達障害者の新人を「官民企業団体の中で新人教育新人研修したくない、そこにお金や時間や人材をかけたくない」という本音と建前が透けてみえます。

そのため厚生労働省も平成29年に就労移行支援事業所向けのQ&Aにおいて。
大学生でも条件を満たせば最終学年であれば、就労移行支援事業所を利用できるという方針転換をしています。各都道府県と団体向けのみに出した文章のようで厚生労働省URLから探すことができませんでした。申し訳ありません

ここにはこのように書かれています。これにより大学生などが最終学年であれば就労移行支援事業所に通所できる可能性を示唆しているのです。しかし、官民企業団体がハイスペックレベル99障害者を所望するという流れ、人事、HR業界からの声が多くなれば、現在の、最終学年の部分が緩和されると筆者は予測しています。ここから逆に考えると「雇用、採用側は軽度でもいいから、ほんの少しの合理的配慮で良い、発達障害当事者をさがしてる」ことになるのです。要は、ここで吃音という発達障害の潜在マーケットが人事、HR業界、就労移行支援事業所業界などで評価されるようになってきています。
就労移行支援の大学在学中の利用)
問13 大学在学中の卒業年度に、就労移行支援を利用することができるか。
(答)
 大学(4年生大学のほか、短期大学、大学院、高等専門学校を含む。以下同
じ。)在学中の就労移行支援の利用については、以下の条件をいずれも満たす
場合に、支給決定を行って差し支えない。
① 大学や地域における就労支援機関等による就職支援の実施が見込めない
場合、又は困難である場合
② 大学卒業年度であって、卒業に必要な単位取得が見込まれており、就労移
行支援の利用に支障がない者
③ 本人が就労移行支援の利用を希望し、就労移行支援の利用により効果的か
つ確実に就職につなげることが可能であると市町村が判断した場合


――― 8 吃音当事者がテレビに出演すること、You Tubeなどで公開する動画は官民企業団体の人事部、採用担当、人事業界、HR業界、新卒学生向けサービス(リクルートやマイナビ)、障害者向けの採用情報サイト(サーナ、クローバーなど)いろいろな人がその動画をみるということも想定してほしい

これは今、障害支援者、就労移行支援事業所スタッフ、社会福祉士、精神保健福祉士、企業の人事担当、障害者向けの就活サイト、人事業界で話題になっています。

自閉症スペクトラムやADHDなどは発達障害としてとても認知されています。学習障害やトゥレット症候群も吃音よりは認知が高いです。

逆に吃音はあまり知られていないため吃音症状や症状の出方、話し方、発話発語のしかた、吃るときに顔の表情はどう動くのか? 吃るときに身体の動きはどうなるのか? 吃るときに白目をむいてしまうのか? しゃべるときに唾液を飛散させてしまうかしまわないか? 相手の目をみて話せるか? 話せないか? 
吃音当時者以外からするとそういうことも気になることになります。

定型発達者、支援者、学校教員、医療従事者、支援職、採用側サイド、労働行政、人事業界が、企業側に味方をする立場の医師や社会保険労務士などが
『あぁ、吃音ってこういう症状か。 こういう人が吃音なんだな。
こういうことで吃音の人はこまっているのか。
こういう話し方が吃音というものか。こういう話かただと電話応対や接客、営業は
まかせられないな。あれ、こういう話し方の人、弊社にいるけど。法定雇用率に計算したいな』

などなどのいろいろな人の思考に利害関係者に影響もあたえるわけです。

意外なことだと思うかもしれませんが。
NHKのバリバラ、ハートネットも当事者や支援者だけが視聴しているのではありません。どういう障害や病気が、どういった症状、特性を示すのか? この確認をするために録画視聴をしているという、視聴者層(人材業界、障害者雇用業界、企業団体側に立つ社会保険労務士や弁護士、人事部・採用・雇用担当など)もいるのです。吃音もつい最近、映画やドラマ、小説で頻繁に出てくるようになり、法定雇用率にも計算できることがわかりました。これにより吃音とはどういう症状なのか? 知りたい層が増えているのです。

また、吃音をカミングアウトしてくる学生や大人の中に「そもそもなぜ吃音をカミングアウトすること、ここに強く執着するこだわりを持っているのか?」と調べている事例もあり、こちらは吃音とASD、吃音とADHD、吃音と学習障害、吃音とASDとADHDなど、複数以上を持っている場合の吃音当事者とはどういうものなのかを調べていることもありました。

とくに「一般枠で吃音カミングアウトをする学生」、「精神障害者保健福祉手帳を所持し、法定雇用率に計算できるのに、過度過重な合理的配慮を実現するようにこだわり、執着をもつ吃音当事者がなぜ存在しているのか?」を調べることにも使われています。これは結局のところ、自閉症スペクトラムを同時に持っている吃音当事者が多いのではないかということにもつながります。

2017年にはNHKハートネットTVで(残念ながら貴重な映像やテキスト書き起こしが
消滅しています)女子学生の吃音当事者や男子学生の吃音当事者が「一般枠に異常な執着、こだわりを発揮した部分は発達障害学生を支援する専門職、医療従事者」から、なぜ吃音のある学生はここまで、カミングアウトや一般枠応募にこだわるのか? なぜ障害者手帳や障害者枠を敵視、蔑視するのか。何かの差別意識があるのではないか? 発達障害学生なら一般枠も障害者枠も同時に就職活動して、納得のいく場合が多いが、吃音の学生は「障害者枠なら、本来希望していた、マスメディア業界に入れたかもしれない、そういう機会があったのに一般枠にこだわるあまりにそれを捨ててしまう」のはなぜなのか?

どこの誰が、こんな若い学生にそういう一般枠でカミングアウトすることがステータスやカッコよさにつながると誤認する・それをしたほうが偉いと教え込んでいるのか? そう思わせてしまうのか? 障害者として働くと惨めだとか、給与が低いとか、出世ができないとか、生活ができないぞと教え込んでいるのか? と次々に疑問が出てきていました。

これは筆者からの解説で「吃音至上主義」の影響でもある。つい最近だと、医療従事者が発達障害児者を差別する文書をネット上に公開したこともあり、その他にも通級指導教室のことばときこえの教室やことばの教室の教員、成功している吃音先輩にこういう考えの方が意外にも多く、障害者枠は負け組である、社会的地位が低い、発達障害を持つ彼彼女らと吃音が同じにされても同じになってもいけないと教え込んでいる一例になると事例紹介をしました。

このような考えが「小学生、中学生、高校生、大学生をあつめたイベント」でも紹介され、子どもや学生、その保護者家族が知らず知らずのうちに吃音以外の人、当事者を下にみる、差別する意識が芽生えてしまっている、これが新卒就職活動をする段階になり、障害者枠を見ない、一般枠でカミングアウトすることにつながっていると説明をしました。

とくに酷い事例になると『発達障害当事者が殺人事件などを起こすと、それみたことか。吃音が発達障害になってはいけない、吃音当事者も人殺しをする人だと思われる、吃音当事者は犯罪をする可能性がある』と思われたどうする? などという発言が普通にでてくることも証拠データをそえて提出したところ、場内は大きなため息や怒りをもつ人もいました。

ただ、これは発達障害業界でもそれなりにあることでした。しかし、吃音のように、ここまで深刻な事例、突出した事例(子どもや家族保護者に積極的に吃音が障害になってはいけないと教え込むのは珍しいことだといいます)それがまかり通ってしまう、それを注意できる医師や言語聴覚士や精神保健福祉士や社会福祉士や看護師が吃音業界、その近くにいないことは深刻な事態だとされています。


――― 9 吃音当事者の中に、自閉症スペクトラムやADHD、学習障害(読み書き計算)、トゥレット症候群、音声チック、運動チック、発達性協調運動障害を持った人いる この時はどう就職活動をする?


※注意 平成から令和の現在ですが。吃音当事者に「自営業」をやれ! と成功体験を押し付ける人がいますが。それはリスクが高いです。まずは障害者枠でもいいので厚生年金を事業主が半分払ってくれる仕事をしてください。そして、経験を積んだら、障害者枠非公開求人で転職してステップアップしてもよいでしょう。本当に自営業はリスク高いです。健康保険も厚生年金もそうですが、一般的な会社員の月収の2倍を稼がないといけません。



吃音当事者の中に吃音以外の発達障害を持った人がいることがわかっています。
普段は自閉症スペクトラムやADHDなどの当事者向けに就労移行支援、医療従事者、支援者として携わっている人からも、最近、クリニックに、就労移行に吃音があると思われる方がいるという連絡もあります。たとえば↓

・ASDやADHDを先に診断されて、そのあと吃音もあるよね。とわかった人は障害受容がしやすく、支援も双方がやりやすい

・吃音があることを診断されて、そのあとにASDやADHDもあるよね。とわかった人は、過去の人生で「精神障害や発達障害のある人を差別していた手前、自分にも自閉症スペクトラムやADHDがあることがわかり、精神的ショックを受ける」場合もある。

・吃音があることをやっと認めて、サービス受給者証や精神障害者保健福祉手帳を取得したまではいいが、障害者枠に応募しても「吃音があるからといって、電話応対や接客をさせないのはオカシイ、差別だ!、人権侵害だ!訴えてやる!通報してやる!」と採用雇用側の相手と喧嘩になる、せっかくの障害者枠なのに就職できなくなる。話し合い、落とし所の存在を理解、認識しない人がいる。(話し合い、落とし所の理解ができない吃音当事者はASDなど吃音以外に発達障害があるのではないかと感じたといいます。とくにすぐ法や通報だとステップを大幅に飛び越える吃音者の事例は発達障害当事者の支援でも一定数存在するといいます)

このような声があります。
とくに吃音当事者は子ども時代に吃音至上主義を教え込まれていて、精神障害、発達障害のある人を差別しまくっていた価値観をもっている場合、「自分も同じなのか」ということを受け入れることができない。そのままうつ病や適応障害などにつながってしまうこともあるといいます。

また、精神障害者保健福祉手帳を取得するまではよかったのに、吃音があることにより、話す仕事よりもその他のことで頑張ってほしいという採用側の価値観を理解してくれない、接客や営業は館内放送をさせないのは差別で人権侵害だ!と「異常なこだわり、執着、大激怒してキレる、これは人権侵害だから差別として関係各所に通報しまくるという行動力」を見せる吃音当事者がいることも大変で、吃音当事者が支援困難事例が多いことの証拠になってしまっています。発達障害当事者にもとてもよくあることで「法ではこうなっている」ということがすぐ会話に出てくることにより日常生活や社会生活で人間関係の摩擦が起きていて、その後発達障害の診断を経て、ソーシャルスキルトレーニングや病院でのプログラムにより、本音と建前、認知の歪みに気づくことなどを練習し社会適応している発達障害当事者もいます。


もしも、私は、吃音以外に発達障害があるかもしれない。と思う人は、まずは発達障害を専門に診療しているという病院に行ってみましょう。精神科に数回通院し、発達障害診療に実績のある大学病院宛に紹介状を書いてもらうのもよいことです。

子どものころから、たしかになにか他人と違うことが多かった。人間関係の維持が発話発語以外が影響して難しかった。などなど思い当たる節がある場合は、ミネルバ書房の発達障害関連書籍を読んでみてください。ここに実体験や近い事例があれば発達障害特性をじつは持っているのかもしれません。 

もしも吃音以外に困りごと、幼少期より何か他人と違うのではないかと感じている吃音当事者がいれば、または自分の子どもが吃音以外にも何か特性を持っているかもしれない。それが生きづらさになっているのではないかと考える保護者がいれば発達障害を診療する病院に行ってみることも選択肢の1つになります。


――― 10 吃音のある学生、大人はどう就職活動する?
発達障害者向けの就労移行支援事業所に通所すべきか?

吃音のある人で、吃音至上主義に傾注していない染まっていないのならば。発達障害者向けの就労移行支援事業所に通所すべきです。
9番に書いたように吃音のある人には自閉症スペクトラム、ADHD、学習障害(読み書き計算)を同時に持っている人も潜在していると考えます。

吃音という「発話、発語によるコミュニケーション能力に困りごとがある」のと同時に何かがあるのです。

そもそも、吃音のある人が『吃音があっても堂々とどもって就職する。成功した吃音先輩のこと、歴史上の著名な成功した吃音者、現役の成功している吃音者』のことを信じてしまう、その話を真実だと思ってしまう、自分もそれが実行できるはずだと思いこんでしまう。一般枠で「吃音という法定雇用率に計算できるはずの発達障害を持っていることをカミングアウトしてしまう」こと。

これは自閉症スペクトラムの『こだわり』や『素直さ(最初に覚えたことを変化させるのが苦手)』だと考えます。考え方に固執して、それを変化させることができない。これはまさに自閉症スペクトラム当事者の困りごとと同じです。(もちろん、このこだわりが実生活や学業や仕事にプラスに働く場面もあります)

また吃音当事者の中には、ADHD特性や学習障害特性を持った人もいるでしょう。発達性協調運動障害という手足・指、身体的な動きの不器用さを持っている人もいるでしょう。

結局のところ、吃音当事者や家族、そこに関わる医療従事者が見落としている、その他の発達障害特性があり、この見落としている特性と吃音が併存して当事者を苦しめていることになります。しかし吃音の診断しか受けていない。吃音を診療する耳鼻咽喉科医師は発達障害について専門家ではないため、知能検査、心理検査、母子手帳かられんらくちょう、通知表、評定表、教員の評価を客観的に判断するということもできません。

吃音をカミングアウトすれば、相手は理解してくれるはずだ!
という強い思い込み。認知の歪み。実際、就労就職であれば、完全な100%の合理的配慮を相手側にさせることはできません。吃音業界ではお客様としての障害者差別解消法による理念と障害者雇用促進法による話し合いによる合理的配慮実行可否・落とし所の概念が正確に認識されていません。

「自他分離」のことを説明していました。要は自分。成功している吃音当事者先輩が持っている成功体験やそのたまたま、偶然うまくいっている稀有な企業や団体の事例、条件が【私の場合も実現されるはずだ!!】と強く思い込んでしまうことが本当に悲劇だと考えます。

また、「吃音があります」と相手に伝えれば、相手は「100%吃音を理解した」と思い込んでしまう吃音当事者もいます。これも自閉症スペクトラムの症状なのかもしれません。別記事にまとめてありますのでご覧ください。吃音当事者は発達障害者が就職活動で使う「私の取り扱い説明書」をしっかり準備すべきなのです。そして、障害者枠で応募することも選択肢に入れるとよいでしょう。

吃音者と働く 職場で吃音者の合理的配慮がうまくいかないのはなぜか?
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/10/blog-post.html

実際の職場を再現した発達障害当事者向けの就労移行支援事業所であれば、自分と他人、自分と社会、社会の中にいる自分と他人は違う人であることを教えてくれます。必ずしも誰かが実行できた、成功できたその条件を、「あなたが実現できるとはわからない」ことを教えてくれます。

その他にも発話発語によるコミュニケーション不足だけではなく、話しかけるタイミング、その際話しかけて「どのことを、どのように、何がわからないのか、何が終わったことを報告するのか」などを事前にメモにまとめること、自分自身が他人とコミュニケーションをして実際に今話したことで「私はこのように認識し受け止めて、このように仕事をする予定ですが、不備や間違いはあるでしょうか?」と再確認すること。このような視点もあるわけです。

以上のことからも、吃音者を対象にした就労移行支援事業所よりも、発達障害者を対象にした就労移行支援事業に通所するほうが良いと考えます。原則として就労移行支援事業所は2年しか使うことができません。その貴重な2年を、どの就労移行支援事業所に使うか?ここをしっかり考えてほしいのです。官民企業団体には「kaien」という就労移行支援事業所を利用して、問題なく訓練が実行できているならその当事者を採用したいという声は多くあります。それくらい、人事業界、採用側雇用側も【どこの就労移行支援事業所を利用しているのか? そこでの評価はどうなっているのか?】ということを気にしています。例えばkaienであれば企業の人事が見学にきて、優秀な当事者がいればスカウトしていくこともあります。kaien経由で法定雇用率を達成しようとする官民企業団体の採用、人事部、人事担当が一定数いることになります。

たとえば、就労継続支援A型やB型、病院のデイケア、病院の自費診療セミナー、病院の当事者会、ハローワーク、若者サポートステーション、労働局などで学ぶことができることを、提供している就労移行支援事業所は通所するのはよく考えるべきです。2年の利用期限を無駄に浪費してしまうことは避けるべきだと、リスクマネジメントだと考えます。貴重な2年は、現時点で最高の就労移行支援事業所を利用すべきでしょう。

吃音のある当事者も、じゃあ、僕は私はどうしたらいいの?
となるでしょう。そこで重要なのが、相談支援をしてくれる人とつながることです。
発達障害を対象にしている医療従事者、ソーシャルワーカーといわれる人、ハローワークや東京障害者職業センター、東京都のしごと財団などとつながり、ここでまずはご自身の成長を、一歩一歩1ミリ1ミリ進めばいいのです。ご自身の自他分離や障害受容のこと、認知のゆがみがあれば改めて行く。これらが大切になります。

その他に、吃音業界の当事者会、団体だけに参加するのではなく。
発達障害のある人、発達障害業界の当事者会、団体に参加することもオススメです。


――― 11 新型コロナウイルス感染症による2020年以降の就職活動について。吃音のある学生、大人はどう就職活動する?

2020年5月2日オンラインセミナーがkaienにより開催されました。
セミナーの中で。障害者枠は今までの歴史上、景気に左右されないデータがある。障害者枠については、一般枠職員が存在する限り法定雇用率を満たさなければいけないため。雇用情勢が大きく悪化することはないのではないかということでした。一般枠については深刻な影響が報道の通りであると。

現在の障害枠就活は、応募できる案件はあるが。応募しても、面談までの時間、面談が終わっても正式に働けるようになるまでの、待機期間があるため停滞していて、応募できる案件もありつつ、応募者が減っているという事案もあるとのこと。応募者側もコロナ禍のため就職活動意欲が低下している場合ですね。面談はウェブ面談になるそうです。


現在、発達障害のある人で、コロナ禍において、仕事が時給制の人はそこそこ影響を受けている。月給制の人は影響が軽微であるといいます。

ただ、アフターコロナの世界では、テレワークができるスキルを持っている人が企業では採用されやすい。エッセンシャルワーカーは仕事がなくなってしまう。自宅待機になってしまう場合もあると。エッセンシャルワーカーの中でも食品を扱うお店等、生活に直結した業態は別です。

発達障害を持った人は、まずパソコンが使いこなせることが前提になるでしょう。パソコンの基本ソフトを使える。ウェブ会議のソフトやアプリをつかいこなせることもです。また自宅で仕事をする場合。時間の区切り。気持ちの入れ替えも課題になります。部屋がワンルームの場合は、働く区画、寝る区画、食事する区画の分離も大変です。整理整頓や室内に白い布をはって、テントのように区切るということもありえるようです。

その他、出勤しないわけですから、自己管理、体調管理、健康管理も難しいかもしれません。出勤する往復で使っているエネルギー、運動量が消費されないことになるからです。



  筆者としては

吃音のある人は障害者枠での就職活動を真剣に考えたほうがよいでしょう。もちろん吃音業界の先輩では一般枠でないと駄目だという考え方を持っている人もいますが。とりあえず新卒の人は障害枠でもいいから、空白期間無しで社会人になったという履歴をもつためにも一般枠にこだわらないほうがよいでしょうね。と思います。

テレワークができるようにPCスキルをあげることも重要です。


このようなコロナ禍あるからこそ。吃音業界の、一般枠で俺は、私は働いている!!系先輩が一肌脱いで「俺の所属先、私の職場は吃音があっても一般枠で働けるよ!人事採用担当を説得したから大丈夫」と大きな行動を起こしてくれればよいのですが……。期待できませんよね。

吃音の人は発話発語が大変ですね。ビデオチャットの場合の練習もしなくてはいけません。
面談においても、リアルの対面した方法ではなくウェブ面談になりますので。
実際のように「コンコン。失礼します。」という挨拶から始まる面接ではありません。
最初に映像として相手にながれる第一印象。どんな顔をしていればいいのか。ここからもう大変です。

ウェブ会議ソフトなど、ビデオチャットになりますから。PCやスマホの設定。マイクテスト、背景画像、服装、カメラの位置。PC内臓は若干顔が下から撮影される。外付けカメラなら正面も可能。ビデオチャットのため。インターネット環境において、余計なスマートフォンやPC、家電のWi-Fi接続を切ることも大切ですね。

仮に将来テレワークをする業務量が増えてきても。チャットでやるか。Eメールでやるか。ビデオチャットでやるか。ビデオチャットを利用した多人数の会議において、「挙手ボタン」はいつ使うか。「ミュート」をして、余計な背景音が入らないようにするか、会議参加者の上半身しか映像として認識できないなかで(身体の動きがよめないので他人の本当の腹の中を推察することがより困難になりますよね)どういった立ち回りをするのかも訓練や勉強をしないとなりませんね。

2018年10月13日土曜日

外国人労働者が言葉遣いで差別される事例 寛容な心という合理的配慮が大切になる

現代ビジネスの記事
日本のエリート学生が「中国の論理」に染まっていたことへの危機感 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57941

この記事は直接吃音と関係はありませんが。とても興味深いので紹介です。
このような記述が記事中にあります。

はじめに、「文化とは、アイデンティティの一形態であり、共有された社会実践の知でもあります。多様性とは、維持するものでもあり、促進するものでもあります。マジョリティとマイノリティの間の対立をどう解決するか、互いにどのように譲歩すべきか。グローバル化は抗えない趨勢であり、異なる価値観やアイデンティティを受け入れる戦略が必要です」と、学生たちは素晴らしい問題意識を示した。
その後、「日本では言葉遣いがおかしいなどとして、飲食店などで働く外国人を差別する人が増えており、中国のファーストフードチェーンでは、イスラム教徒のためにハラルフードを入れる容器を別に準備したが、イスラム教徒でない人にメリットのないことでコストを増やすのかと反対の声が高まりやめてしまった」と、差別やマイノリティ軽視の事例が紹介された。
そして学生たちは、「誰をも傷つけず、全体に福利厚生を行き渡らせることは難しい。各民族にとって、何が決して譲歩できない、必ず抑えるべき基本的関心事項であるのかを考え、それぞれの文化を実践する権利を保障する必要がある」と説いた。


その後、「日本では言葉遣いがおかしいなどとして、飲食店などで働く外国人を差別する人が増えており、中国のファーストフードチェーンでは、イスラム教徒のためにハラルフードを入れる容器を別に準備したが、イスラム教徒でない人にメリットのないことでコストを増やすのかと反対の声が高まりやめてしまった」と、差別やマイノリティ軽視の事例が紹介された

―――しかしこの差別ってそもそも日本では普通ですよね 外国人に限らない
日本ではとくに、発話発語、礼儀、あいさつ、年齢によるフィルター、流暢な発話発語の要求水準が、敬語の要求水準が社会の暗黙のルールとして自然に義務付けられています。接客サービスも提供される商品や食品の質が重視される高級なお店や宿泊業、エンターテイメント業界、レジャー業界などであれば接客品質というものは重視されてもよいでしょう。

言葉遣いがおかしいこと。これの何が問題なのかということです。
日本国内は「過剰接客」と言われるほど、コンビニやファーストフード、ファミレス、そば店、うどん店、居酒屋、衣料品店、小売などといった生活によく利用する可能性の高い店舗でも、接客態度が重視されます。はっきり言ってこの日本独特の文化は日本の経済成長にも悪い影響を与えていると思います。言葉遣いのみにならず、目を見て話すことや明るく振る舞うこと、活気をだすことなども含めてです。


今、外国人労働者が増えている、求人を募集しても人が集まらないなどの課題があります。しかし、過剰接客や過剰接客マニュアルなどを軽減すればもっと働きたい人、働きやすいと思う人はいるでしょう。たとえば精神障害、発達障害、ひきこもりなど社会参加の1つとして考え。過剰接客を強要しない・義務化しない・売りにしないという業態や取り組みが増えていくことは日本経済にも良い影響を与えるでしょう。

また利用する消費者側も、高級なお店、接客品質が売りになっていることが前提のお店・業態以外の場合。ちょっとしたことで怒らない、クレームを入れないという寛容な心が必要になると思います。言葉遣い、発話発語がうまくできない、目を見て話さない、暗い、明るくない、活気がない、こういう店員さん、職員さんがいてもよいと考えます。これも合理的配慮です。寛容な寛大な心という合理的配慮です。また、発話発語のみに限らずコミュニケーション全般についての合理的配慮として、タッチパネル方式、券売機方式というものが広がることも必要になるでしょう。(タッチパネルや券売機方式は働く店員、消費者両方にメリットがあります)過剰接客廃止店舗という試験的なお店が増えてもいいと思います。サービス業の世界では「接客コンテスト」、「レジの早打ちコンテスト」などといった企業独自の内部試験などもあるでしょう。しかし、それが本当に最優先されるべきなのかも考えてほしいのです。

2018年9月30日日曜日

吃音業界はまた乗り遅れてしまっている 厚生労働省 平成31年度厚生労働省所管予算概算要求関係

厚生労働省 平成31年度厚生労働省所管予算概算要求関係

https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/19syokan/03.html

現在、厚生労働省が平成31年度厚生労働省所管予算概算要求関係を公開しています。
発達障害関連の部分は【発達障害児・発達障害者の支援施策の推進 5.0億円(4.1億円) 】とされています。

吃音業界の声は残念ながら届いていないのが現状です。(既存の吃音業界から離れて、独自に行動し接点をもつ吃音団体もあると報告されています)吃音業界が動かない中、昨年に引き続き発達障害関連の予算は大きく動いています。これから吃音、吃音を含め発達障害全般について吃音当事者やその家族の未来はどうなるのかとても心配です。吃音当事者や保護者家族の中には声を伝えたい。吃音と吃音以外の発達障害もあるけどどうしたらいい。既存の吃音業界では真剣に対応してくれない。相談をしても解決しないまたは相談できない。既存の吃音業界は行動してくれない。などと考えている人もいるでしょう。これからどうなっていくのか、何ができるのかを吃音当事者や保護者家族が真剣に考える時期なのかもしれません。吃音業界が乗り遅れ、周回遅れになればなるほど、困っている吃音当事者や保護者、合理的配慮をしてほしい、診断書がほしい、精神障害者保健福祉手帳のための診断書がほしい、どこの病院にいけばいい、吃音を理由に差別をうけた、吃音理由に職場を解雇されそうだどうしたらいい?、などなどたくさんの困りごとが継続していくでしょう。


関連記事 吃音業界乗り遅れ、周回遅れ伝説の1つです
吃音業界はなぜ場面緘黙業界やトゥレット症候群の団体のように日本精神神経学会パブリックコメントへ何らかのアクションをしないのか?

2018年9月22日土曜日

ANAおよびJALは障害者割引運賃に精神障害者保健福祉手帳が含まれることがわかりました エアドゥ スターフライヤー ソラシドエアも!

記事内容訂正
JALも同様の割引を開始します。

2018年9月21日ANAからこのようなプレスリリースが出ました。
https://www.ana.co.jp/group/pr/201809/20180921-3.html

2018年度下期ご搭乗分の国内線運賃適用条件の一部変更について
 ANAは、2018年度下期ご搭乗分の国内線運賃について、適用条件の一部変更を行います。
概要は、以下のとおりです。
「プレミアム身体障がい者割引運賃」および「身体障がい者割引運賃」の適用条件変更
(1)適用開始日:2019年1月16日(水)以降の予約受付および購入分(予定)
(2)対象期間 :2019年1月16日(水)以降の搭乗分(予定)
(3)変更内容 :
①運賃名称の変更
身体障がい者割引 から 障がい者割引 と名称変更
②適用対象者について
身体障害者手帳、戦傷病者手帳または療育手帳の交付を受けている満12歳以上の方に加え、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている満12歳以上の方に適用します。
※顔写真付きの精神障害者保健福祉手帳が必要です。また、ご搭乗日当日に手帳の有効期間が満了している場合にはご搭乗いただけません。
③介護者について
手帳区分にかかわらずご本人および同一便に搭乗される介護者の方(お一人様まで)がご利用いただけます。

詳細はPDFを確認 ANAのプレスリリース詳細


これは大きな変化ですね。
おそらく今年、一般社団法人JDDネットがANAと成田空港とコラボイベントで発達障害のあるお子さんの空港利用と搭乗体験イベントを開いたことで、ANA社内でも「発達障害のある人の困りごとを深く理解したのかもしれません」 
 イベントはコチラ
 https://jddnet.jp/event180114/

JR各社も追随してほしい…。
航空機運賃が精神障害者保健福祉手帳でも割引になるのは当事者や家族にとっては嬉しいことです。これからはANAを使う発達障害当事者が増えるかもしれません。


その他の航空会社を調べました。ANAホールディングスが関係しているところですね。
スカイマークは残念ながら無しです。

ソラシドエアも精神障害者保健福祉手帳を対象にします PDF
https://www.solaseedair.jp/corporate/pdf/press180921.pdf

エアドゥも精神障害者保健福祉手帳を対象にします
https://www.airdo.jp/corporate/release/2018/release-6153.html

スターフライヤーも精神障害者保健福祉手帳を対象にします PDF
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=announcement&sid=45135&code=9206

2018年6月13日水曜日

吃音が含まれる労働保険審査会資料を精神障害の件、自殺の件 2件紹介

厚生労働省の労働保険審査会が公開する資料に吃音について書かれたものが2点ありましたので紹介です。(公開された文書は最下段に掲載)
リンク先はこちら
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/roudou/saiketu-youshi/


関連記事
2013年、北海道で吃音看護師が自殺した。だが、本当は自殺を避けられたのである
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2015/11/2013.html
【重要なお願い】吃音業界は2005年4月から施行の発達障害者支援法を本当に知らなかったのか?なぜ2013年に北海道で吃音看護師が自死したのかhttp://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2016/12/200542013.html 

1.はどこかの大学で働いていた人の事例である。
労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)による療養補償給付及び休業 補償給付を支給しない旨の処分を取り消すとの裁決を求めたが。棄却されたということである。


2.は吃音を持った看護師が自殺したことで。亡子が自殺に至るまでの経緯が記録されている。 労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)による遺族補償給付及び葬祭 料を支給しない旨の処分を取り消すとの裁決を求めたが。棄却されたということである。


筆者はこれを読んでいて本当に怒りや悔しさがある。克明な記録である。
しかし、法律上、ルール上、棄却ということになる。
この後、国を相手に行政訴訟するのかどうか?(棄却を知った日からX日以内が間に合っていればの話)
もしも行政訴訟まで行けば、毎日新聞社などから報道があるかもしれない。
行政訴訟となれば吃音業界の団体も、お金を援助すべきではないかと思う。
2018年は吃音者の世界大会!吃音者の世界大会!とお金がたくさんある団体なのだから。それくらいは大根を購入するような感覚だろう。


――― 克明な記録、じっくり読んでほしい 可能なら音読してほしい

「2経過」から音読してほしい。筆者が気になった部分を強調する。全文は最下段に。
看護師さんは病院で働いていた。

・請求人によれば、被災者は、入職後、同年○月頃から、指導の受け答えの時に 突っ掛かる、言葉が出ないなどからコミュニケーションを取ることができず、少 しずつ悩み始め、同年○月になると退職や自殺を意識し出し、精神的に病んでいったという

 ・看護師は、同年○月○日、事業場に出勤せず、自宅で死亡しているところを発 見された。死体検案書には、「死亡したとき:平成○年○月○日昼頃(推定)、直接死因:酸素欠乏による窒息(推定)、死因の種類:自殺」と記載されている。

請求人は、被災者の死亡は業務上の事由によるものであるとして、監督署長に 遺族補償給付及び葬祭料を請求したところ、監督署長は、被災者の死亡は業務上 の事由によるものとは認められないとして、これらを支給しない旨の処分(以下 「本件処分」という。)をした。 請求人は、本件処分を不服として、労働者災害補償保険審査官(以下「審査官」 という。)に審査請求をしたが、審査官は、平成○年○月○日付けでこれを棄却し た(以下「本件決定」という。)ので、請求人は、更に本件決定を不服として、本 件再審査請求に及んだものである。


・(3)被災者の本件疾病発病前おおむね6か月間において、認定基準別表1「業務 による心理的負荷評価表」(以下「認定基準別表1」という。)の「特別な出 来事」に該当する出来事は認められない。 (4)そこで、「特別な出来事」以外の出来事についてみると、請求人及び再審査 請求代理人(以下「請求代理人」という。請求人及び請求代理人を併せて、以 下「請求人ら」という。)は、①認定基準別表1の具体的出来事「達成困難な ノルマが課された」に該当する出来事、②同じく「(ひどい)嫌がらせ、いじ め、又は暴行を受けた」に該当する出来事、③同じく「理解してくれていた人 - 3 - の異動があった」に該当する出来事、④同じく「上司が替わった」に該当する 出来事があり、①及び②の出来事による心理的負荷の総合評価はそれぞれ「強」 に該当する旨主張している。 (5)上記(4)の請求人らの主張を踏まえ検討すると、以下のとおりである。 ア 上記(4)①の出来事についてみるに、請求人らは、被災者は患者に対す る説明を行う前に、先輩看護師に向かっての説明練習を繰り返し実施させら れていたが、これは、事業場が被災者に対して突っ掛かることのない説明を 行うことを業務目標として課していたものであって、かかる業務目標はノル マに該当し、当該ノルマは流暢性障害を有する被災者にとって「客観的に、 相当な努力があっても達成困難なノルマ」であり、また、被災者に対する試 用期間延長の通告が「重いペナルティの予告」に該当することから、この出 来事の心理的負荷の総合評価は「強」に該当する旨主張する。


しかしながら、請求人らが主張する先輩看護師に向かっての説明練習は、 プロの看護師として業務を遂行していく上での前提となる、患者や家族との 円滑な意思疎通、コミュニケーションを図るための基礎訓練と考えられ、新 人看護師の教育プログラムの一環として実施されていたものであることか ら、これを、営業上の利益を確保することなどを目的として労働者に一定の 業務成果の達成を求めるために課せられるノルマと同視することはできな い。

↑これ。吃音者としては憤激しますね。
また一方で『プロの看護師として業務を遂行していく上での前提となる、患者や家族との 円滑な意思疎通、コミュニケーションを図るための基礎訓練と考えられ』ということです。これが発達障害者支援法により、精神障害者保健福祉手帳を持っており、合理的配慮を事前に申し出て、雇用側と当事者が合理的配慮について話し合えば。落とし所があればどうなったのかとも思います。

『プロの看護師として業務を遂行していく上での前提となる、患者や家族との 円滑な意思疎通、コミュニケーションを図るための基礎訓練と考えられ』

これについては、2018年現在でも、2017年の秋ころ放送されたNHKハートネットTV、吃音学生の就職活動を見た、発達障害業界の就労移行支援事業社、事業員、発達障害専門の病院医師などからは『吃音の人はなぜ、なぜ、なぜ、一般枠でカミングアウトしてしまうのか?』と不思議がる人もいます。なぜなら『プロのXXXXとして業務を遂行していく上での前提となる、社内やお客様との 円滑な意思疎通、コミュニケーションを図るための基礎訓練と考えられ』というのが、ほとんどのどのような職業でも当たり前だからだという理由でした。

吃音当事者の立場としては『吃音があったままでも、障害者手帳を持っていなくとも、職場は合理的配慮すべき。障害者手帳を持たずに働く先輩もいるから、この職場もそうするべき』だという主張もありますよね。

しかし発達障害のある学生や大人むけの就労移行支援事業を経営運営している人やその職員・支援職、企業団体の障害者枠雇用担当者はそうは思っていないという現実もあります。


・したがって、当審査会としても、決定書理由に説示するとおり、この出来事を「達成困難なノルマが課された」に該当するものとして評価することは できず、下記イのとおり、認定基準別表1の出来事の類型「対人関係」の出 来事として評価すべきものと判断する。 なお、請求代理人は、被災者に対する試用期間延長の通告について、達成 困難なノルマに係る「重いペナルティの予告」に該当する旨主張するが、前 述のとおり被災者にノルマが課されたものとみることはできず、別途出来事 として評価すべきものである。そして、その心理的負荷の程度を検討してみ ても、当該延長は被災者の試用期間中の状況をみて総合的に検討した結果と して行われたものであって、不当なものとまではいえず、被災者には技術面 (採血・注射)の修得が不足していた旨のC課長の申述にも信憑性を欠くも のとみるべき事情もないところ、管理者であるC課長から被災者に対して今 - 4 - 後の課題を含め相応の説明がされた上で通告されたものと推認されることか ら、心理的負荷の程度は「弱」であるものと判断する。


なるほど、正式採用されず、試用期間延長になったのですね。これは初見でした。
看護師の場合は、当事者にとってとても苦痛なものだったことでしょう。
しかし労働保険審査会の主張する認定基準別表1の出来事の類型「対人関係」の出来事として評価すべきものと判断するということになってしまっています。
吃音のある人が繰り返し繰り返し発話発語の練習をさせられるというのは労働保険審査会では通用しないということになる…。



話を変えます 発達障害のある人を解雇する方法のこと

これは2014年くらいからある2018年現在でも水面下で存在する『発達障害のある人を間違えて採用してしまった場合に去ってもらう虎の巻』にあることです。

最近だと、それを行使されたのではないかと思うニュース記事があります。当事者は発達障害の診断がついているかは不明ですがエピソードを読んでいるともしかしたら未診断の人なのかもと思える記述もあります。
新卒1年目で解雇された地方公務員の主張 http://blogos.com/outline/300401/

関連した記事でリタリコから
発達障害カミングアウトで退職に追い込まれた26歳。実体験から伝える、退職までの軌跡とこれから https://h-navi.jp/column/article/35026527


何れにせよなのですが。
発達障害があること見抜けずに間違えて採用してしまった発達障害者を解雇する方法。
これはまず。試用期間中に本採用しないことや、「普通解雇」にすることが前提となっています。また転職させるように仕向ける。障害当事者が自ら辞めると決断するように外堀を埋めるなどなど。
虎の巻によると、発達障害を持っていると思わる当事者が失敗したことを更にやらせること。当事者が失敗しやすいであろう業務に配置転換することが解説されています。
そして、重要なことがあります。手書きの業務日報を毎日記入させるのです。
手書きが苦手、筆記が汚い当事者の人もいるでしょう。
手書きの業務日報に今日の業務内容一覧を記載させます。
また、仕事上のミスがあった場合さらに始末書や反省文などを書かせます。
(この時点は他の社員や職員はやっていないことを自分だけさせられます。または他の人も表面上やっていても、これはターゲットを普通解雇するためだと知っているため適当に書きます。会社に残ってほしい人材についてはいい加減な内容でも不問です)

すでにこの時点にうつ病になりそうですが。
当事者の中には負けずに戦う人もいるでしょう。
しかし、1年ほどすると、業務日報と始末書や反省文を根拠に
「職務遂行能力が欠けているため、普通解雇します」という流れになります。
普通解雇は罰則もなにもないので、発達障害に限らず使われる手法です。

※当事者は業務日報を詳細に自分だけ書けと言われたり、配置転換の話があった場合
不自然なタイミングで人事が話をしたいと言ってきた場合
ICレコーダーやスマートフォンのレコーダー機能で会話を全て録音することを
おすすめします。業務日報を毎日提出しろと言われた場合は。職場の中でICレコーダーの録音を勤務中は全て行うことも大切です。雇用側が辞めさせようと画策する場合、言葉の暴力や理不尽な要求や、度をこした叱責などがはじまるからです。これが録音できていれば後々有利な武器になるかもしれません。


吃音のある人を合法解雇したければ
吃音の場合は発話発語が苦手なわけですから、配置転換をして話すことが多い部署に異動させて。そこで手書きの業務日報、仕事のミスやお客様からの苦情があれば(もちろんお客様は本当にお客様かわかりません、会社側が準備したお客様の可能性も)その都度、反省文や始末書を書きます。これが継続していけば、当事者はうつ病、適応障害、などなどにより自ら退職するかもしれません。(雇用主としては1番良い展開です)
次にここまでやってもへこたれずに働き続けると。いよいよ普通解雇が宣告されることになるのです。

避けることはできるのか?
現在、改正された発達障害者支援法の第十条の3 http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/viewContents?lawId=416AC1000000167_20160801_428AC0000000064
『3 事業主は、発達障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の発達障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。』この条文に書いてある「発達障害者の雇用」とは精神障害者保健福祉手帳を持っていても持っていなくてもよいという解釈が重要視されているからです。
これで立ち向かうことができるともされていますが。そもそも手書きの業務日報の段階に来ると当事者もそのような余裕があるとは思えません。このレベルでは、雇用側と対峙しているのではないかと思いますし。良い状態の関係に戻せないということもあります。




話が脱線しました元に戻します


・イ 上記(4)②の出来事についてみるに、請求人らは、流暢性障害を負って いる被災者に対して、突っ掛かることなく説明を行うという不可能ないし困 難な行為を求め、繰り返しの指導ないし叱責が行われており、これは、認定 基準別表1の具体的出来事「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受け た」の心理的負荷「強」の具体例「部下に対する上司の言動が、業務指導の 範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性を否定する言動が含まれ、かつ、 これが執拗に行われた」に該当する旨主張する。 被災者の指導看護師の申述を踏まえると、指導看護師は、被災者が患者へ の説明等改まった場面において緊張から言葉が出にくくなるものと理解して いたと推認されるところ、説明練習を繰り返すことで、患者への説明を日常 の会話と同様によりスムーズにできるようになるものと期待して行わせたも のとみるのが妥当である。


吃音のことが全く知られていないことがわかりますね。
スムーズに淀みなく話せるようになるために。
説明練習を繰り返すことでスムーズに発話発語ができるようになると期待したそうです…。吃音のこと全然知らないですね。

 ・この点、D主任は、1日5、6回も練習をさせると被災者も気落ちするの で1日2回程度であった旨述べるのに対し、請求人らは、Eが、被災者は説 明練習を何十回もさせられていた旨やスムーズに発言できないのを承知でわ ざと被災者に言わせたり、失笑したりするスタッフがいた旨申述していることを主張する。


これは新潮45で連載された近藤雄生氏が書いた記事にもあったように思います。


・しかしながら、EがSNSでも個人的につながるくらい親密とす るC課長、D主任、F以外の事業場関係者であるGの申述をみても、Eの申 述内容を裏付けるに足るものは見当たらず、他方、被災者が事業場外で信頼 を寄せていたと考えられるHも、事業場に勤めるようになってからも吃音の 悩みやいじめのことで決定的な話は聞いていないと述べていることを併せ勘 案すると、説明練習を繰り返し行わせていたこと自体が、業務指導の範囲を 逸脱し、嫌がらせやいじめに該当するものとみることはできず、被災者は看 護師として必要な基礎的能力を修得するため、教育プログラムの一環として の業務指導を受けていたものとみるのが妥当であると判断する。 もっとも、関係者の申述を踏まえれば、被災者が叱責されていた事実が認 められるものの、被災者の指導看護師から業務指導の範囲を逸脱した言動が なされた事実を目撃した者はおらず、被災者が記録していた日々のメモ帳に もそのような事実の記載は全くないことに照らせば、説明練習の指導をもっ - 5 - て認定基準別表1の具体的出来事「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行 を受けた」に該当するものとみることは相当ではなく、被災者が説明練習を 繰り返し行わされていたことと叱責されていたことを併せ、認定基準別表1 の具体的出来事「上司とのトラブルがあった」(平均的な心理的負荷の強度 「Ⅱ」)に該当するものとして評価することが妥当である。 そして、被災者の指導看護師による叱責に関しては、指導看護師が厳しく 叱ったことがあるとし、Gも、若干言い方がきつかったのかもしれないと述 べており、被災者が厳しく叱責される状況も複数回あったものと認められる が、ほかにも新人看護師がいる中で、被災者のみが厳しい叱責を受けていた ものとは認められず、看護の現場において想定される一般的な指導、叱責を 超えるものとみるべき客観的な事情も見受けられないことから、当審査会と しても、説明練習と叱責の出来事による心理的負荷の総合評価は、決定書理 由に説示するとおり「弱」であると判断する。 ウ 上記(4)③の出来事についてみるに、請求人は、吃音のある被災者に対 して、スムーズに発言できないことを責めるのではなく、教育効果を考えな がら接してくれた唯一の理解者であった同僚が、平成○年○月○日付けで別 の部署に異動になり、被災者に対して同様に接してくれた人はほかにいなか ったことから、被災者がますます追い込まれていった旨主張する。 しかしながら、この出来事は、被災者の本件疾病発病後の出来事であり、 本件疾病が死亡に至る間に悪化したとする事情は認められないことから、評 価の対象とはならないものである。 エ 上記(4)④の出来事についてみるに、請求人は、被災者の吃音を理解し 事業場に来るよう誘ってくれたI元看護部長が、被災者が事業場に雇用され る前に退職しており、その後任の看護部長も被災者の雇用時には交代し、被 災者が事業場で働き始めるまでの間に看護部長が3人も代わっているが、被 災者の吃音について看護部長間で引継ぎがきちんとなされていたのか疑問で ある旨主張する。 請求人が主張する看護部長の交代は、被災者が事業場に雇用される以前の 出来事であることから、これを業務による出来事として評価することはでき ないが、仮にこれを決定書理由に説示するとおり、J看護部長となっていた ことを知ったのが事業場に雇用された後のこととして、認定基準別表1の具 - 6 - 体的出来事「上司が替わった」(平均的な心理的負荷の強度「Ⅰ」)に該当す るものとみても、心理的負荷の強度を修正すべき要素はないことから、この 出来事の心理的負荷の総合評価は「弱」であると判断する。 (6)上記(5)のとおり、被災者には心理的負荷の総合評価が「弱」の出来事が 3つ認められるが、その業務による心理的負荷の全体評価は「弱」であって「強」 には至らないことから、被災者に発病した本件疾病は、業務上の事由によるも のとは認められず、またその死亡も業務上の事由によるものとは認められない。 3 以上のとおりであるので、監督署長が請求人に対してした本件処分は妥当であ って、これを取り消すべき理由はない。 よって主文のとおり裁決する。




説明練習を繰り返し行わせていたこと自体が、業務指導の範囲を 逸脱し、嫌がらせやいじめに該当するものとみることはできず、被災者は看 護師として必要な基礎的能力を修得するため、教育プログラムの一環として の業務指導を受けていたものとみるのが妥当であると判断する

(略)

ほかにも新人看護師がいる中で、被災者のみが厳しい叱責を受けていた ものとは認められず、看護の現場において想定される一般的な指導、叱責を 超えるものとみるべき客観的な事情も見受けられないことから、当審査会と しても、説明練習と叱責の出来事による心理的負荷の総合評価は、決定書理 由に説示するとおり「弱」であると判断する。


と書いてありますが。
根本的に吃音とはどんなものなのか? が知られていないことが根底にあるように思えます。もしも仮に、就職の段階で吃音の説明、合理的配慮を申し出ることができればとも考えますが。看護師は一般枠就労を望んでいたと仮定すれば、それはできなかったでしょう。仮に一般枠就労で「XXX障害について理解せよ!合理的配慮せよ!」と言えば雇用側と争う状態にもなります。そうするとそもそも勤務先の仲間や上司との軋轢にもなるのでそういうカードは使えません。さらに、一般枠就労なので、看護師としてできて当たり前の業務はできなければいけない。障害者枠であれば免除や合理的配慮があるかもしれないが。一般枠なので発話発語訓練のノルマを課せられるということは避けられなかったでしょう。そもそも医療従事者の障害者枠はあまり存在しないということもあります。


・その業務による心理的負荷の全体評価は「弱」であって「強」 には至らないことから、被災者に発病した本件疾病は、業務上の事由によるも のとは認められず、またその死亡も業務上の事由によるものとは認められない。


最後の文章ですが。
業務上の事由ではなく。また死亡に至ることも業務上の事由ではないとなっています。









吃音のある人の働き方は今後どうなるのか?

吃音のある人の働き方というのは
吃音があっても大丈夫だ! 一般枠で働ける!!
障害者枠は給与やすいし。障害者と一緒だと思われるよ!
吃音でどもりまくって仕事している!
という人もいますし。(真実かどうかは別です。本当は職場でカミングアウトしていない場合もあるでしょう)

何らかの訓練や改善方法や
自分なりの技術で吃音が出ないように、うまく隠せるようになる当事者もいます。
吃音が出る状態をコントロールして。盛大に吃る→少し吃るにする場合も
あります。大破から小破にダメージコントロールすることです。

吃音があって困っている人。合理的配慮を受けて安心安全な環境で仕事したいと思えば。
精神障害者保健福祉手帳を取得する人もいるでしょう。


労働保険審査会の視点(吃音看護師の事例のみならず全てに当てはまる指針)

『しかしながら、請求人らが主張する先輩看護師に向かっての説明練習は、 プロの看護師として業務を遂行していく上での前提となる、患者や家族との 円滑な意思疎通、コミュニケーションを図るための基礎訓練と考えられ、新 人看護師の教育プログラムの一環として実施されていたものであることか ら、これを、営業上の利益を確保することなどを目的として労働者に一定の 業務成果の達成を求めるために課せられるノルマと同視することはできない。』



この部分「看護師」を他の職業に言い換えても。
この部分「患者や家族との」を「取引先やお客様との」に言い換えても。
この認識は成立します。
これは看護師に限らないということです。どのような職業でもこれは成立します。そして労働保険審査会が想定する一般枠雇用ではこのようなことが最重要視されていることになります。

吃音業界では吃音をカミングアウトして働いているという人もいますが、全ての企業団体がそのような環境ではありません…。不思議なことに吃音をカミングアウトして働いているという人が、その職場名を公開して、インターネット上にリスト化するということもありません。職場の人事を説得して「私のような吃音のある後輩が応募してくるからよろしくな!」とはなりません。吃音業界の不思議です。

では看護師が障害者枠雇用ならばどうだったのか?と考えてしまいます。合理的配慮を受けられたのではないか? しかし障害者差別解消法のいう合理的配慮は申し出があれば絶対に提供しなければいけないわけではありません。努力義務ということになっています。

さらに就労の場合の合理的配慮は障害者差別解消法よりも改正障害者雇用促進法になります。そこには「合理的配慮は、個々の事情を有する障害者と事業主との相互理解の中で提供されるべき性質のもの」であって。当事者の合理的配慮の申し出。その後双方での話し合いがあり、相互理解が必要。相互で共通の落とし所が求められるのです。一方的に「私は障害や症状があるから御社は合理的配慮しないとならない」と申し出をすることは、相手と対峙することになるということです。対決姿勢になってしまうのです…。

そこで多くの企業団体、組織は「落とし所はこのへんですね。わかりました。これでいきましょう。合理的配慮を提供するから、障害者手帳のコピーをだしてくれ。法定雇用率に計算したい」となるわけで。カミングアウトすれば一般枠でも働けるはずだという吃音業界の常識と大きく異なることになります。しかし、一般枠でカミングアウトをしてはいけないこと。大手の発達障害者向け就労移行支援事業所でも耳にタコができるほど、口酸っぱく、これでもかというほど何度も説明されます。リタリコ社の場合、就職を希望する当事者、リタリコ社職員、応募先の企業団体の三者間で合理的配慮を取り決めた内容の書面化をして保存するといいます。またリタリコ社のリタリコワークスでは「職場での合理的配慮ガイドブック 一人ひとりに合った働き方に向けて」をウェブに公開しています。 https://works.litalico.jp/interview/consideration/

しかし吃音当事者・吃音業界では一般枠雇用でも「吃音をカミングアウトできる」という事例が多数あります。吃音への合理的配慮希望を、ボールを投げるだけ投げて、雇用主側の事情や雇用先の立場とのギャップが発生してしまうのです。雇用側としては法定雇用率に計算したいから障害者手帳を持っていてほしいという本音と建前があります。


しかし何よりも、吃音とはどういったものなのか?
練習して治る人もいるかもしれないが、そうではない人もいる。
吃音についての情報提供がもっと必要になっていくと思います。

別記事でも書きました。
吃音ガイドライン 流暢性障害ガイドライン: 吃音者と働く 職場で吃音者の合理的配慮がうまくいかないのはなぜか? http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2017/10/blog-post.html

吃音当事者言う「私どもるんです。吃音があるんです」
これを雇用側が「どのくらいの吃音状態なのか」がわからないことの情報不足もあるでしょう。しかし吃音当事者によっては、吃音は障害ではないと思いこんでいるわけですから一般枠で就活して、カミングアウトをして採用される人もいますが、そうではない人もいることになります。この状況は今後変化していくでしょうか?


そして何よりも大切なこと 吃音のことをもっと強く社会に伝えていくこと 吃音の認知度をあげよう

これが何より重要でしょう。
2005年から吃音は発達障害者支援法に定義されていました。
マスコミ、報道のみなさんにはここを報道してほしいのです。
なぜ吃音業界において2005年から発達障害者支援法に吃音が含まれたこと。そして発達障害者支援法ができたときに、発達障害当事者や支援者、親の会の連合体が発足し、その中に吃音業界の団体が1つ加盟していたのに。2013年に吃音を苦にした自死、自殺が2件起きてしまったのか。なぜ発達障害業界は吃音業界を怪訝そうに見ているのか?
ここを報道してほしいのです。
関連記事
2013年、北海道で吃音看護師が自殺した。だが、本当は自殺を避けられたのである
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2015/11/2013.html
しかし吃音業界にはそれがなぜか秘匿、隠匿、隠蔽されてしまい。自死を決断する者が出てきた。2005年以降は別の選択肢もあったはず。もしも2005年から吃音のことが広く知られていれば。といろいろな事が巡り巡ってしまいます。

吃音業界、吃音者の中には、吃音以外の障害種別の当事者や家族を差別する人もいます。
これを吃音至上主義といいます。吃音至上主義が『吃音が発達障害者支援法に含まれていることを隠そう、隠匿、隠蔽、秘匿しよう。社会に広まらないようにしよう』につながるとしたら本当に怖いことです。

吃音業界では2005年4月から発達障害者支援法に吃音が含まれたことが共有されなかったことは本当に悲しいことです。吃音業界の団体がこの時点で団結し、運動をおこし、積極的に行政や医療との連携を行い、精神障害者保健福祉手帳取得への手引やホームページ上での使える社会保障制度紹介、吃音以外の障害児者、困ってる当事者との連携があれば。少なくともその後、高校や大学を卒業した吃音当事者は苦悩する時間、死にたくなる気持ち、自分の人生を考える時間、吃音があるからといって絶対にこれをしなければいけないという焦り、いろいろな重圧や悩みを別の視点、別の選択肢によって回避することもできたのかもしれません。2014年に国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報支援センターが「吃音は発達障害に含まれる」とホームページ上で公開することによって事態は急変しました。黒船来航と同じで吃音業界はいよいよ外圧によって動かざるをえない状況になりました。

しかし、しかしです。吃音業界はなぜ発達障害者支援法の存在が隠されていたのか。なぜ吃音者(家族やそれに関係する人間)は精神障害や発達障害を持った人を差別するのか。こういった過去を調べて検証して反省するということはありません。検証した結果をしっかり報告書にしてウェブ上に公開することも大切だと考えます。本来なら吃音業界はまずここからやらなければいけないのです。労働保険審査会(ウェブ上に公開されるレベル)にまで行動しなければいけなかった。それくらい吃音業界はとても深い闇を抱えているといえます。もっと早く、少なくとも発達障害者支援法が開始された当時から吃音当事者とその家族の選択肢を増やすための行動をしていれば、権利擁護をしていれば、令和時代になって、吃音で苦悩し苦しみ生きることへ絶望する当事者や家族も少なくなっていたでしょう。とりわけ吃音者が大きな壁と感じる就職活動では一般枠も障害枠も両方就活しよう。精神障害者保健福祉手帳を取得しよう、社会保障制度を堂々と利用しようという流れもあったかもしれません。


吃音至上主義(きつおんしじょうしゅぎ)とはなんですか? どんな差別主義ですか?
https://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.com/2018/12/blog-post.html


吃音業界では吃音のことが100%全部社会に知られてしまうことを反対する人もいます。
吃音が発達障害になると精神障害や発達障害の人と同じに思われてしまうから、精神障害や発達障害の人は犯罪をしても無罪だから、そんな人たちと同じに扱われたくないから。吃音は身体障害だという吃音至上主義者もいます。

発達障害者支援法に入っていることを2005年の施行日から2014年7月3日に国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報支援センターが改めて告知するまで、隠匿していた業界でもあります。もしも2005年から吃音が発達障害者支援法の対象であるとわかっていれば。イジメや不登校を経験した人も。その後進学を諦めてしまった人も。就職活動で失敗してしまった人も。いまはニートやひきこもりになっている人も。自殺をした人も。何か別の道があったのではないかと思います。

発達障害による精神障害者保健福祉手帳は「本人の困りごと」により取得できます。
身体障害の場合は身体障害の認定基準という明確な線引、数値、検査などがあります。これにより厳格に等級が決まります。もしも吃音が身体障害になったとすれば。軽度の人が手帳を取得できない可能性もあります。

また、うつや適応障害、社交不安障害といった二次障害がなくても精神障害者保健福祉手帳は取得できます。自閉症スペクトラムだけで精神障害者保健福祉手帳を持っている人もいます。吃音業界ではこのような正しい情報が医療従事者の間でも共有されておらず。二次障害が発生しないと手帳を取得できないと判断する人もいます。自閉症スペクトラムなどを診療する医師は「二次障害が発生しないように当事者を守るため」にも発達障害の症状単独で精神障害者保健福祉手帳が取得できることをもっと世間に浸透してほしいといいます。


吃音の認知度を上げること。「吃音を知られたくない」という気持ちもあるでしょうし。うまく吃音を隠して社会に溶け込んでいるいる人はなおさらでしょう。

しかし、吃音があってもうまくいっているとか、どもりまくって仕事している、私ができたから、あなたもできる。それは間違っています。「パターナリズム」です。あなたの成功体験が他の人にあてはまるわけないのです。

吃音のある人に限らず、身体障害でも発達障害でも精神障害でも知的障害でもマイノリティでも難病でも、どんな人でも世界中に同じ人は存在しません。生まれた国家。生まれた家の貧富、親の価値観、学校の環境、いじめにあうか、あわないか。不登校になるかならないか。うまく何事もなくいってしまうか。挫折するか。まったくひとりひとり異なるのです。今目の前にいる困っている人は、過去に経験したこの人とパターンが同じだから、こんな感じで助ければいいや。ではありません。

もしも吃音があってもうまく行っている、会社は理解あるという人は自分の所属する企業団体・組織の名称をインターネット上に公開してください。そして人事部に「私は吃音があるけど。今度後輩がエントリーしてくるから。頼むよ!」と説明して「後輩吃音者のみなさん!私の働く職場に応募して!!吃音があっても絶対大丈夫!全く気にされないよ!」とアナウンスすべきです。全ての吃音者に平等なエントリーできる機会を提供すべきです。

しかしそれはできませんよね。
だからこそ。社会保障制度、障害者基本法、発達障害者支援法、差別解消法、精神障害者保健福祉手帳制度などなどがあるのです。これらは人間が文明を築いてきた中で生まれたものです。障害者に限らず、社会的弱者の人へのセーフティーネットは近代ではどの国家でもあるわけです。


そしてライフステージにあわせた。
いつでもどこでも、誰でも。困ったときにどのような制度があるのか?
これらを「可視化、見える化」していかないとなりません。
発達障害のある人の団体やてんかんのある人の団体では、使える制度一覧の説明。学校での合理的配慮の受け方。学校での個別の指導計画・支援計画の発動方法。障害のある生徒を多く受けれ入れている高校説明会、発達障害のある学生を手厚く支援してくれる大学、就職は一般枠?障害者枠?と考える時間。いろいろな機会を情報を教えてくれます。

吃音がある子どもであれば「うまく話せるように学校にいくのではありません」
安心安全な環境で勉強するため。無理に発話発語をしない合理的配慮を求めること。
こういうことでもいいのです。


少し古い資料で、一部内容が変わっているかもしれませんが。
東京大学先端研で発達障害のある人の研究を熊谷晋一郎氏と行っている綾屋紗月氏が発達障害の説明、当事者研究の際に利用するスライドです。
「吃音のある私」
「吃音のある私が困っていること」
「社会に返せる問題は社会に返す」

個人の問題と社会の問題を切り分ける。
そして使える制度や社会資源を使いリカバリーしていく。
安心安全な環境を手に入れる。
自分が生きやすい環境を構築していくことが大切になるでしょう。

そして吃音業界の医療従事者ではなく、精神科医療の医療従事者のみなさんにお願いです。吃音業界は本当に複雑です。発達障害者支援法が存在したのにも関わらずそれが見える化わかる化使える化されていないのです。そして、「成功してる吃音者」という価値観があり、ここでは社会保障制度、障害者手帳制度を利用する吃音者は弱い人、甘えた人、負け組、ずるい人などとレッテルはられます。あくまでも一般枠で成功してこそ、そして吃音当事者の保護者と同じ収入レベル生活レベルの維持をすることが評価されます。ここには相談支援、ソーシャルワーク、バイスティックの7つの原則、パターナリズムなどが理解できる人がいないのです。どうか助けてください。みなさんの活躍するフィールドで吃音を積極的に扱ってほしいのです。









以下、労働保険審査会の公開した文書


1.28労103 [190KB] 棄却 准教授の上司、同僚からのパワハラ等により発病したとする精神障害

- 1 - 平成28年労第103号 主 文 本件再審査請求を棄却する。 理 由 第1 再審査請求の趣旨及び経過 1 趣 旨 再審査請求人(以下「請求人」という。)の再審査請求の趣旨は、労働基準監督 署長(以下「監督署長」という。)が平成○年○月○日付けで請求人に対してした 労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)による療養補償給付及び休業 補償給付を支給しない旨の処分を取り消すとの裁決を求めるというにある。 2 経 過 請求人は、平成○年○月○日、A所在の学校法人Bに採用され、同法人が運営 するC大学(以下「大学」という。)に専任講師として勤務したのち、平成○年か らは准教授として就労していた。 請求人によると、平成○年○月頃から学長や同僚から受けたパワーハラスメン トやいじめにより慢性的なストレスが蓄積されたという。 請求人は、同年○月○日、Dクリニックに受診し、「適応障害」と診断され、そ の後、平成○年○月○日、E病院に受診し、「適応障害」と診断された。 請求人は、精神障害を発病したのは、業務上の事由によるものであるとして、 監督署長に療養補償給付及び休業補償給付を請求したところ、監督署長は、請求 人に発病した精神障害は業務上の事由によるものとは認められないとして、これ らを支給しない旨の処分をした。 請求人は、これら処分を不服として、労働者災害補償保険審査官(以下「審査 官」という。)に審査請求をしたが、審査官は、平成○年○月○日付けでこれを棄 却したので、請求人は、更にこの決定を不服として、本件再審査請求に及んだも のである。 第2 再審査請求の理由 - 2 - (略) 第3 原処分庁の意見 (略) 第4 争 点 本件の争点は、請求人に発病した精神障害が業務上の事由によるものであると認 められるか否かにある。 第5 審査資料 (略) 第6 事実の認定及び判断 1 当審査会の事実の認定 (略) 2 当審査会の判断 (1)請求人の傷病名及び発病時期について、労働局地方労災医員協議会精神障害 等専門部会(以下「専門部会」という。)は、平成○年○月○日付け意見書に おいて、請求人の発病の状況、F医師の意見書等から、ICD-10診断ガイ ドラインに照らし、「F43.2 適応障害」(以下「本件疾病」という。) を発病したと判断し、発病時期を平成○年○月下旬頃としており、請求人の症 状の経過等に照らすと、当審査会としても専門部会の意見は妥当であると判断 する。 (2)ところで、精神障害の業務起因性の判断については、厚生労働省労働基準局 長が「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(平成23年12月2 6日基発1226第1号。以下「認定基準」という。)を策定しており、当審 査会としてもその取扱いを妥当なものと考えることから、以下、認定基準に基 づき検討する。 (3)そこで、請求人の本件疾病発病前おおむね6か月間における業務による心理 的負荷についてみると、次のとおりである。 ア 「特別な出来事」について 認定基準別表1「業務による心理的負荷評価表」(以下「認定基準別表1」 という。)の「特別な出来事」の類型に示されている「心理的負荷が極度の もの」又は「極度の長時間労働」に該当する出来事は認められず、「特別な - 3 - 出来事」は見受けられない。 イ 「特別な出来事以外の出来事」について 請求人は、本件疾病を発病に至らしめる多くの業務による心理的負荷をも たらす出来事があった旨主張していることから、以下、同主張の出来事ごと を検討する。 (ア)まず、請求人は、平成○年○月○日に請求人の身体状況を確認するため に大学が指定した医療機関を受診するよう学部長より指示がなされ、請求 人は受診することとなったが、当該指示自体が不適切であると主張する。 当審査会では、請求人が当該医療機関を受診することとなった経緯につい て精査したが、受診は事実確認書からみて、明確に請求人の合意を得た上 でなされたものであり、また、当該指示の理由についても、請求人が今後 授業を支障なく継続できるかを判断するためという合理性が認められるも のであることから、仮に、請求人にとって不満があったとしても、一般的 に心理的負荷をもたらす業務上の出来事であるとは判断できない。 (イ)次に、請求人は、自身の授業のやり方等について平成○年○月○日に学 生から提出された嘆願書を取り上げ、同年同月○日にG委員会が開催され、 さらに同月○日には学生に対する説明会が開催されたことについて不当で ある旨を主張する。この点、一件記録を精査すると、請求人の主張と大学 側の主張には、学生の請求人による授業に対する受け止め方や説明会に至 る経緯において食い違いがあるものの、少なくとも学生から「嘆願書」が 出されたことは事実であると認められる。学生から、こうした文書が提出 された以上、大学側が請求人から事情を聞き、また、学生に対して説明を したことについては、合理性があると判断すべきである。この点、請求人 は、呼び出し回数が○回にも及んだことを不当である旨主張するが、こう した事態に至った背景には、請求人の釈明が学生の主張と乖離していたた め事実確認が必要であったと判断し得るものであり、調査が長期間に及ん だことも致し方ないと言わざるを得ない。したがって、この一連の経過に ついて、請求人が不満を抱いたことは理解できるも、大学側として学生の 苦情に係る請求人への対応が不当であったとは判断できず、同出来事を認 定基準別表1の具体的出来事に該当する出来事として「上司とのトラブル - 4 - があった」(平均的な心理的負荷の強度「Ⅱ」)に該当するとみて評価し ても、やや強い業務指導が行われたものであると判断することが相当であ り、その心理的負荷の強度は「中」であると判断する。 (ウ)また、請求人は、学部長ら上司から発病直前まで継続して「いじめ」を 受けていた旨を主張するが、当審査会において、一件記録を精査するも、 決定書に記載のとおり、上記G委員会や学生への説明会の場において、請 求人にとっては厳しいと感じられるであろうやり取りがあった事実は認め られ、また、H委員長から試験の監督をするよう求められた等の事実は認 められるものの、いずれも大学教員としての一般的な務めを求められたと 判断すべきものであり、それらの場面において、請求人の人格や人間性を 否定するような嫌がらせが執拗かつ繰り返し行われたという事実も認めら れないことから、業務による心理的負荷をもたらす出来事であったとは判 断し得ない。 (エ)さらに、請求人は、事実確認書について、記載内容やその手続き等につ いて不当である旨を主張するが、当該確認書は、平成○年○月○日から同 年○月○日までの間の○回にわたる請求人と学部長らとの話し合いの結果 として作成されたものと認められ、最終的には、請求人も自ら署名してい る。請求人は、法律学を専門とする研究者であり、当該署名の意味につい ては理解しているものと判断されるところ、後にこれを不当な要求であっ た等との反論は受容しがたく、同主張について、業務による心理的負荷を もたらす出来事であるとは判断できない。 (オ)以上のことからすると、請求人について認定基準別表1の具体的出来事 に該当する出来事としては、心理的負荷の総合評価「中」となる出来事が 1つ認められるに過ぎず、請求人の業務による心理的負荷の全体評価は 「強」には至らないものである。 なお、請求人は、本再審査請求において、公正かつ慎重な審理を希望す る旨主張しているところ、当審査会においては、事実認定に係る関係者の 申述及び証拠については、各位の立場や事情を十分に斟酌してその採否を 決定しており、本件についても、大学関係者の申述については、その信憑 性や矛盾の有無についても精査したものであることを付言する。 - 5 - (4)業務以外の心理的負荷の評価及び個体側要因の評価 本件における一件記録からは、業務以外の心理的負荷については認定基準に 基づき特に評価すべき要因は認められない。個体側要因については、請求人は 平成○年○月よりIクリニックに定期的に通院し「吃音」、「神経症」、「抑 うつ状態」、「不眠症」と診断され、抗うつ薬や睡眠薬が継続して処方されて いる。また、平成○年○月から「抑うつ状態」により約○週間休業しているこ とも確認できる。 (5)請求人のその余の主張についても子細に検討したが、上記結論を左右するに 足るものは見いだせなかった。 (6) 以上のことから、当審査会としても請求人に発病した本件疾病は業務上の事 由によるものとは認められないと判断する。 3 以上のとおりであるから、請求人に発病した本件疾病は業務上の事由によるも のであるとは認められず、監督署長が請求人に対してした療養補償給付及び休業 補償給付を支給しない旨の処分は妥当であって、これを取り消すべき理由はない。 よって主文のとおり裁決する。

2.28労391 [209KB] 棄却 看護師の自殺

- 1 - 平成28年労第391号 主 文 本件再審査請求を棄却する。 理 由 第1 再審査請求の趣旨及び経過 1 趣 旨 再審査請求人(以下「請求人」という。)の再審査請求の趣旨は、労働基準監督 署長(以下「監督署長」という。)が平成○年○月○日付けで請求人に対してした 労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)による遺族補償給付及び葬祭 料を支給しない旨の処分を取り消すとの裁決を求めるというにある。 2 経 過 請求人の亡子(以下「被災者」という。)は、平成○年○月○日、A所在のB 病院(以下「事業場」という。)に雇用され、看護師として業務に従事していた。 請求人によれば、被災者は、入職後、同年○月頃から、指導の受け答えの時に 突っ掛かる、言葉が出ないなどからコミュニケーションを取ることができず、少 しずつ悩み始め、同年○月になると退職や自殺を意識し出し、精神的に病んでい ったという。 被災者は、同年○月○日、事業場に出勤せず、自宅で死亡しているところを発 見された。死体検案書には、「死亡したとき:平成○年○月○日昼頃(推定)、直 接死因:酸素欠乏による窒息(推定)、死因の種類:自殺」と記載されている。 請求人は、被災者の死亡は業務上の事由によるものであるとして、監督署長に 遺族補償給付及び葬祭料を請求したところ、監督署長は、被災者の死亡は業務上 の事由によるものとは認められないとして、これらを支給しない旨の処分(以下 「本件処分」という。)をした。 請求人は、本件処分を不服として、労働者災害補償保険審査官(以下「審査官」 という。)に審査請求をしたが、審査官は、平成○年○月○日付けでこれを棄却し た(以下「本件決定」という。)ので、請求人は、更に本件決定を不服として、本 件再審査請求に及んだものである。 - 2 - 第2 再審査請求の理由 (略) 第3 原処分庁の意見 (略) 第4 争 点 本件の争点は、被災者の精神障害の発病及び死亡が業務上の事由によるものであ ると認められるか否かにある。 第5 審査資料 (略) 第6 事実の認定及び判断 1 当審査会の事実の認定 (略) 2 当審査会の判断 (1)被災者の精神障害発病の有無及び発病時期について、労働局地方労災医員協 議会精神障害専門部会(以下「専門部会」という。)は、平成○年○月○日付 け意見書において、症状経過及び主治医意見等を踏まえ、ICD-10診断ガ イドラインに照らし、「F43.2 適応障害」(以下「本件疾病」という。) を発病していたと判断し、その時期は平成○年○月下旬頃としている。 被災者の症状経過等を踏まえると、当審査会としても、専門部会の意見は妥 当であると判断する。 (2)ところで、心理的負荷による精神障害の業務起因性の判断については、厚生 労働省労働基準局長が認定基準を策定しており、当審査会としても、その取扱 いを妥当なものであると考えることから、以下、認定基準に基づき検討する。 (3)被災者の本件疾病発病前おおむね6か月間において、認定基準別表1「業務 による心理的負荷評価表」(以下「認定基準別表1」という。)の「特別な出 来事」に該当する出来事は認められない。 (4)そこで、「特別な出来事」以外の出来事についてみると、請求人及び再審査 請求代理人(以下「請求代理人」という。請求人及び請求代理人を併せて、以 下「請求人ら」という。)は、①認定基準別表1の具体的出来事「達成困難な ノルマが課された」に該当する出来事、②同じく「(ひどい)嫌がらせ、いじ め、又は暴行を受けた」に該当する出来事、③同じく「理解してくれていた人 - 3 - の異動があった」に該当する出来事、④同じく「上司が替わった」に該当する 出来事があり、①及び②の出来事による心理的負荷の総合評価はそれぞれ「強」 に該当する旨主張している。 (5)上記(4)の請求人らの主張を踏まえ検討すると、以下のとおりである。 ア 上記(4)①の出来事についてみるに、請求人らは、被災者は患者に対す る説明を行う前に、先輩看護師に向かっての説明練習を繰り返し実施させら れていたが、これは、事業場が被災者に対して突っ掛かることのない説明を 行うことを業務目標として課していたものであって、かかる業務目標はノル マに該当し、当該ノルマは流暢性障害を有する被災者にとって「客観的に、 相当な努力があっても達成困難なノルマ」であり、また、被災者に対する試 用期間延長の通告が「重いペナルティの予告」に該当することから、この出 来事の心理的負荷の総合評価は「強」に該当する旨主張する。 しかしながら、請求人らが主張する先輩看護師に向かっての説明練習は、 プロの看護師として業務を遂行していく上での前提となる、患者や家族との 円滑な意思疎通、コミュニケーションを図るための基礎訓練と考えられ、新 人看護師の教育プログラムの一環として実施されていたものであることか ら、これを、営業上の利益を確保することなどを目的として労働者に一定の 業務成果の達成を求めるために課せられるノルマと同視することはできな い。 したがって、当審査会としても、決定書理由に説示するとおり、この出来 事を「達成困難なノルマが課された」に該当するものとして評価することは できず、下記イのとおり、認定基準別表1の出来事の類型「対人関係」の出 来事として評価すべきものと判断する。 なお、請求代理人は、被災者に対する試用期間延長の通告について、達成 困難なノルマに係る「重いペナルティの予告」に該当する旨主張するが、前 述のとおり被災者にノルマが課されたものとみることはできず、別途出来事 として評価すべきものである。そして、その心理的負荷の程度を検討してみ ても、当該延長は被災者の試用期間中の状況をみて総合的に検討した結果と して行われたものであって、不当なものとまではいえず、被災者には技術面 (採血・注射)の修得が不足していた旨のC課長の申述にも信憑性を欠くも のとみるべき事情もないところ、管理者であるC課長から被災者に対して今 - 4 - 後の課題を含め相応の説明がされた上で通告されたものと推認されることか ら、心理的負荷の程度は「弱」であるものと判断する。 イ 上記(4)②の出来事についてみるに、請求人らは、流暢性障害を負って いる被災者に対して、突っ掛かることなく説明を行うという不可能ないし困 難な行為を求め、繰り返しの指導ないし叱責が行われており、これは、認定 基準別表1の具体的出来事「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受け た」の心理的負荷「強」の具体例「部下に対する上司の言動が、業務指導の 範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性を否定する言動が含まれ、かつ、 これが執拗に行われた」に該当する旨主張する。 被災者の指導看護師の申述を踏まえると、指導看護師は、被災者が患者へ の説明等改まった場面において緊張から言葉が出にくくなるものと理解して いたと推認されるところ、説明練習を繰り返すことで、患者への説明を日常 の会話と同様によりスムーズにできるようになるものと期待して行わせたも のとみるのが妥当である。 この点、D主任は、1日5、6回も練習をさせると被災者も気落ちするの で1日2回程度であった旨述べるのに対し、請求人らは、Eが、被災者は説 明練習を何十回もさせられていた旨やスムーズに発言できないのを承知でわ ざと被災者に言わせたり、失笑したりするスタッフがいた旨申述しているこ とを主張する。しかしながら、EがSNSでも個人的につながるくらい親密とす るC課長、D主任、F以外の事業場関係者であるGの申述をみても、Eの申 述内容を裏付けるに足るものは見当たらず、他方、被災者が事業場外で信頼 を寄せていたと考えられるHも、事業場に勤めるようになってからも吃音の 悩みやいじめのことで決定的な話は聞いていないと述べていることを併せ勘 案すると、説明練習を繰り返し行わせていたこと自体が、業務指導の範囲を 逸脱し、嫌がらせやいじめに該当するものとみることはできず、被災者は看 護師として必要な基礎的能力を修得するため、教育プログラムの一環として の業務指導を受けていたものとみるのが妥当であると判断する。 もっとも、関係者の申述を踏まえれば、被災者が叱責されていた事実が認 められるものの、被災者の指導看護師から業務指導の範囲を逸脱した言動が なされた事実を目撃した者はおらず、被災者が記録していた日々のメモ帳に もそのような事実の記載は全くないことに照らせば、説明練習の指導をもっ - 5 - て認定基準別表1の具体的出来事「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行 を受けた」に該当するものとみることは相当ではなく、被災者が説明練習を 繰り返し行わされていたことと叱責されていたことを併せ、認定基準別表1 の具体的出来事「上司とのトラブルがあった」(平均的な心理的負荷の強度 「Ⅱ」)に該当するものとして評価することが妥当である。 そして、被災者の指導看護師による叱責に関しては、指導看護師が厳しく 叱ったことがあるとし、Gも、若干言い方がきつかったのかもしれないと述 べており、被災者が厳しく叱責される状況も複数回あったものと認められる が、ほかにも新人看護師がいる中で、被災者のみが厳しい叱責を受けていた ものとは認められず、看護の現場において想定される一般的な指導、叱責を 超えるものとみるべき客観的な事情も見受けられないことから、当審査会と しても、説明練習と叱責の出来事による心理的負荷の総合評価は、決定書理 由に説示するとおり「弱」であると判断する。 ウ 上記(4)③の出来事についてみるに、請求人は、吃音のある被災者に対 して、スムーズに発言できないことを責めるのではなく、教育効果を考えな がら接してくれた唯一の理解者であった同僚が、平成○年○月○日付けで別 の部署に異動になり、被災者に対して同様に接してくれた人はほかにいなか ったことから、被災者がますます追い込まれていった旨主張する。 しかしながら、この出来事は、被災者の本件疾病発病後の出来事であり、 本件疾病が死亡に至る間に悪化したとする事情は認められないことから、評 価の対象とはならないものである。 エ 上記(4)④の出来事についてみるに、請求人は、被災者の吃音を理解し 事業場に来るよう誘ってくれたI元看護部長が、被災者が事業場に雇用され る前に退職しており、その後任の看護部長も被災者の雇用時には交代し、被 災者が事業場で働き始めるまでの間に看護部長が3人も代わっているが、被 災者の吃音について看護部長間で引継ぎがきちんとなされていたのか疑問で ある旨主張する。 請求人が主張する看護部長の交代は、被災者が事業場に雇用される以前の 出来事であることから、これを業務による出来事として評価することはでき ないが、仮にこれを決定書理由に説示するとおり、J看護部長となっていた ことを知ったのが事業場に雇用された後のこととして、認定基準別表1の具 - 6 - 体的出来事「上司が替わった」(平均的な心理的負荷の強度「Ⅰ」)に該当す るものとみても、心理的負荷の強度を修正すべき要素はないことから、この 出来事の心理的負荷の総合評価は「弱」であると判断する。 (6)上記(5)のとおり、被災者には心理的負荷の総合評価が「弱」の出来事が 3つ認められるが、その業務による心理的負荷の全体評価は「弱」であって「強」 には至らないことから、被災者に発病した本件疾病は、業務上の事由によるも のとは認められず、またその死亡も業務上の事由によるものとは認められない。 3 以上のとおりであるので、監督署長が請求人に対してした本件処分は妥当であ って、これを取り消すべき理由はない。 よって主文のとおり裁決する。

2018年5月8日火曜日

志乃ちゃんは自分の名前が言えない 7月14日より順次公開予定

映画 「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」
の公開情報です。
7月14日より公開予定ですが。
大きな映画館では上映しないようです。
「近日公開予定ではあるが、日時不明の映画館も多いです」




公式サイト
http://www.bitters.co.jp/shinochan/


東京 新宿武蔵野館 7月14日より
http://shinjuku.musashino-k.jp/

北海道 ディノスシネマズ札幌劇場 詳細不明
http://cinema.sugai-dinos.jp/pc/sapporo/

愛知 伏見ミリオン座 詳細不明 7月21日より
http://www.eigaya.com/theater/million/

大阪 シネ・リーブル梅田 詳細不明
https://ttcg.jp/cinelibre_umeda/comingsoon/

京都 京都シネマ 詳細不明
http://www.kyotocinema.jp/

兵庫 シネ・リーブル神戸 詳細不明
https://ttcg.jp/cinelibre_kobe/comingsoon/

福岡 KBCシネマ 詳細不明
https://kbc-cinema.com/

2018年4月29日日曜日

【ニュース】筑波大学の発達障害を重複する吃音の子どもの実態‐発達的変化の追跡調査‐をご存知ですか?

【ニュース】発達障害医学の進歩30で吃音が取り上げられる 吃音至上主義者はショック?吃音が発達障害になってしまうと抗議するの?
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2018/04/30.html

↑に関連したニュースです。
以下の研究があること。吃音至上主義者や障害種別差別を行う人々はどう受け止めて、解釈するのでしょうか?やはり抗議を筑波大学、金沢大学、国立障害者リハビリテーションセンター研究所にするのでしょうか? 公開要望書を送付するのでしょうか?


――― どういう調査研究なの?

吃音業界の人はすでにご存知のことと思います。
発達障害業界からの声では「吃音と発達障害を両方持つ人いるよね。
というか。発達障害のある子どもに吃音ある子いるよね。」というのはもともと知られていることでした。

・宮本 昌子  筑波大学, 人間系, 准教授 (70412327)
・小林 宏明  金沢大学, 学校教育系, 教授 (50334024)
・酒井 奈緒美  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 感覚機能系障害研究部, 研究員 (60415362)

以上の3名が行っている研究です。
「吃音のある子ども」に「吃音以外の発達障害を持っている場合」もあるんじゃないの?という調査です。結局の所

『1年目には,第42回コミュニケーション学会分科会(吃音・流暢性障害),日本特殊教育学会第54回大会自主シンポジウムで発達障害を重複する吃音に関する論文のレビュー,教育現場・医療現場での実践例を報告した。これらの報告,議論により,吃音を主訴とする子どもを対象とする臨床現場では,一定数の発達障害を重複する者が存在し,その評価・支援方法は,重複のない吃音の例とは異なるのではないか,という結論を得た。』

と経緯報告が出ています。


現在、このような科研費がついて、研究が進行中なのですが。
研究が遅延しているようです。
なかなか難しいだろうと思います。
吃音業界には吃音至上主義、障害種別差別容認・推進という差別があるため。それらに小学校のことばときこえの教室で子ども・保護者も出会ってしまうとそれに染まってしまうこともあるでしょう。吃音のある子どもに、発達障害もあるかもしれないという調査に
子ども、その保護者も協力しない場合もあるでしょう。こういう部分では3名の方もキツイだろうなと察します。この3名の研究に協力してはいけませんよ!吃音が発達障害にされてしまいますよ!と内部通達している団体もあるでしょう。


吃音業界ももっと障害受容がしやすい環境であったり、吃音至上主義や障害種別差別がなければもう少しはやく2005年から2015年の間にこのような研究はできたのではないかと思います。
宮本氏が筑波大学のホームページで『欧米の調査では、吃音の4~26%がADHD等の発達障害と重複し、障害特性に合った介入が求められると報告されるが、日本では実態が明らかにされず、具体的な支援方法は模索の段階である。』と明記してしまっている所からも日本国内では調査をしようという一歩を踏み出すことすら困難だったのだろうと推察します。


今後は厚生労働省の主導できる予算で、発達障害業界の医師や研究者に「発達障害のある子どもに吃音があるか実態調査」が打診されるかもしれません。吃音業界からのアプローチと。発達障害業界からのアプローチでは結果は異なると思います。

これから考えられる新しい調査としては。
・吃音のある子どもの保護者に発達障害がある場合は認められるのか。
・発達障害の診断を受けている当事者の中に吃音を持つ人はいるのか。
などが行われていくことでしょう。


吃音業界は吃音は発達障害じゃない。
吃音のある人が発達障害もある場合は存在しない。
というテイを多くの人がとっています。
しかし、吃音業界でも名前の知られている研究者や医療従事者などが、吃音と発達障害について実態調査をしているという、この現実もあります。今後の結果報告はどうなるのでしょうか?





科学研究費助成事業データベースから
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16K04812/研究課題/領域番号 16K04812
研究種目 基盤研究(C)
配分区分 基金
応募区分 一般
研究分野 特別支援教育
研究機関 筑波大学
研究代表者
宮本 昌子  筑波大学, 人間系, 准教授 (70412327)
研究分担者 小林 宏明  金沢大学, 学校教育系, 教授 (50334024)
酒井 奈緒美  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 感覚機能系障害研究部, 研究員 (60415362)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
研究課題ステータス 交付(2016年度)
配分額 *注記 4,550千円 (直接経費 : 3,500千円、間接経費 : 1,050千円)
2018年度 : 1,430千円 (直接経費 : 1,100千円、間接経費 : 330千円)
2017年度 : 1,560千円 (直接経費 : 1,200千円、間接経費 : 360千円)
2016年度 : 1,560千円 (直接経費 : 1,200千円、間接経費 : 360千円)
キーワード 吃音 / 発達障害 / 発達的変化 / 重複障害 / 言語発達 / 言語障害 / 発話流暢性障害 / 追跡調査
研究実績の概要 本研究では,発達障害を重複する吃音の子どもの実態を明らかにし,発達的変化の追跡を調査を行う。1年目には,第42回コミュニケーション学会分科会(吃音・流暢性障害),日本特殊教育学会第54回大会自主シンポジウムで発達障害を重複する吃音に関する論文のレビュー,教育現場・医療現場での実践例を報告した。これらの報告,議論により,吃音を主訴とする子どもを対象とする臨床現場では,一定数の発達障害を重複する者が存在し,その評価・支援方法は,重複のない吃音の例とは異なるのではないか,という結論を得た。また,発達障害を重複する場合,学校教育現場では発話の問題よりも行動や情緒の問題が重視され,発話の問題に焦点があてられにくい現状についても議論された。 また,本研究グループに,有識者を加えた症例検討会で,発達障害を重複する吃音の3例が報告され,知能・言語・発話・運動等幅広い範囲のアセスメントが必要であること,言語発達に伴い,吃音が改善するサブグループがあること,クラタリングとの鑑別が困難である場合があること等,今後さらに検討するべき課題があることが確認された。また,症例検討の結果,発達障害の重複のない児童とある児童では,吃音の発話症状も異なることが確認された。海外の先行研究では既に報告されていることではあるが,日本語話者での症状についても,今後確認が必要であることが分かった。今回発表された各症例(小学校低学年,高学年,成人)については,今後も追跡し,発達的変化を追跡する予定である。
現在までの達成度 (区分) 現在までの達成度 (区分)
3 :  やや遅れている
理由
当初は,地域の保健センターにて調査を行う予定であったが,健診の場でのリクルートが困難であり,研究代表者,分担者の3名が指導の担当をしている幼児,学齢児,成人での検討から開始することにした。その結果,症例数も予定通りに確保できたことから,これらのケースに対して追跡調査を行うことにした。
今後の研究の推進方策 本年度に行った,発達障害を重複する吃音の症例に関する追跡的観察を今後も行うことにする。吃音,発達障害の特徴は発達と共に変化する可能性がある。特に,言語発達が高まると共に,吃音の問題が解決するタイプ,あるいは学年を追うごとに吃音の問題が解決しても,学習の問題が残るタイプ等,様々な分類が想定される。吃音の問題と重複しやすい問題とその予後について観察したい。
また,平成29年には,小学校内言語障害通級指導教室に通う吃音が主訴の児童が,発達障害を併せ持つ割合を明らかにすることを目的とし,研究を行う。発達障害の診断を受けていないが,兆候がある児童も多いことが予想される。よって,文科省による「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査(2004)」の調査項目を使用し,吃音の他に問題を有するかどうかについて,検討をする予定である。
平成30年には,通常学級の中に吃音の児童が存在する割合,発達障害のある吃音の児童が存在する割合を明らかにすることを目的とし,研究を行う。その際,通常学級の教員を対象に,上記の調査を行う予定である。さらに,発達障害を重複する吃音の中にはクラタリングが疑われる者が存在することも推測される。調査で,発達障害を重複する吃音であると同定された者の中に,クラタリングの疑われる者がどれくらい存在するかについても,明らかにしたい。
次年度使用額の使用計画 保健センターで行う予定であった調査の代わりに小学校言語障害通級指導教室,通常学級での追加調査を実施するために使用する。
研究計画を再検討し,保健センターで実施する予定だった幼児期での吃音と発達障害の諸特徴の変化の追跡は,研究代表者,分担者が教育相談等で担当しているケースを対象に行うため,ビデオカメラ,動画保存用HDD等の機器の購入を行う(平成28~30年)。さらに,学齢期以降においては,上記の追加調査を行うことで,吃音と発達障害が重複する児童の実態把握を行い(平成29年度に小学校内言語障害通級指導教室,平成30年度に小学校通常学級で実施する予定),そのための調査用紙印刷代,郵送代を計上し,使用する予定である。両調査で,発達障害と吃音の重複が認められた児童にクラタリングチェックリストを実施する予定である。そのための印刷代と郵送代も計上し,使用する計画である。
筑波大学 人間系障害科学域 宮本昌子 研究室から
http://www.human.tsukuba.ac.jp/~smymt/research.html
現在行っている研究
1.宮本昌子、小林宏明、酒井奈緒美
研究種目名 基盤研究(C)(一般)
期間(年度) 平成28年〜30年度
研究課題名 発達障害を重複する吃音の子どもの実態‐発達的変化の追跡調査‐
研究経費
(直接経費) 3,500千円
研究概要 欧米の調査では、吃音の4~26%がADHD等の発達障害と重複し、障害特性に合った介入が求められると報告されるが、日本では実態が明らかにされず、具体的な支援方法は模索の段階である。本研究では、①発達障害を重複する吃音の出現率を明らかにする、②吃音症状と発達障害の特徴の変化に基づいた群分けを行うことを目的とし、①発達障害が重複する吃音のある子どもの実態調査、②3歳時健診で吃音の疑われる子どもの2年間の追跡調査を行う(5年後まで追跡予定)。 追跡調査の結果、対象を吃音の自然治癒と慢性化に分類することで、発達障害の特徴や診断が吃音の悪化・進展に関わるかどうかを調べる。今後はさらに、発達障害を重複する吃音に対し、障害特性を考慮した指導介入法の開発へとつなげたいと考える

2018年4月28日土曜日

【ニュース】発達障害医学の進歩30で吃音が取り上げられる 吃音至上主義者はショック?吃音が発達障害になってしまうと抗議するの?

――― 吃音業界の専門職が発達障害業界の出版物に出てくる時代になった

顕在化しにくい発達障害の早期発見と支援に向けて 
という書籍が公益社団法人日本発達障害連盟から発売です。(リンクは記事の最下段)

関連記事
【ニュース】筑波大学の発達障害を重複する吃音の子どもの実態‐発達的変化の追跡調査‐をご存知ですか? http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2018/04/blog-post_29.html



現在、吃音業界は吃音至上主義という名の障害種別差別が蔓延しています。
そのようななか、菊池良和氏、原由紀氏の2名の記事が発達障害を扱う団体、その出版物で扱われることになります。筆者はこのように、吃音も発達障害業界で扱われるようになり時代の変化を感じています。障害種別に関係なく、こうやってお互いのことが知ることができるようになっていくこと。これは大切だと思います。

ちなみに菊池良和氏、原由紀氏は日本発達障害連盟の別のセミナーにも登壇していました。こちらのセミナーのことが今回発売の書籍につながっています。



――― 吃音至上主義者、障害種別差別推進派の吃音のある人やその家族や支援者はこの事態をどうみる?

吃音業界にある吃音至上主義、障害種別差別主義者の考え方
「吃音を知ってください。吃音を理解してください。でも発達障害や精神障害のことは知りません。理解したくありません。吃音が精神障害や発達障害だと思われたら困ります。一緒にしないでください!吃音の人は精神障害や発達障害のように頭オカシクありませんから! 発達障害の人が持っている内的心理的問題を吃音の人が持っていると思われたら困ります!!吃音はあんな発達障害の人とは違いますから!!吃音を発達障害業界の出版物やセミナーで扱わないでください!!」

発達障害業界にあるまぜこぜの考え方
「発達障害には色々な特性があります。それらの特性を複数持っている人もいます。発達障害特性ごとに困りごとや悩み事は異なるかもしれませんが。みなさんお互いのことを知りましょう。助け合いましょう。一緒に協力しましょう。分断をするのではなく。分けるのではなく、一緒に歩みましょう」


吃音至上主義、障害種別差別は自閉症協会の掲示板でも話題になり、悲しみや怒りがあふれている

http://www.autism.or.jp/cgi-bin/wforum/wforum.cgi?mode=allread&no=3039&page=0



――― 吃音至上主義や障害種別差別をする人々からすれば
『公益社団法人日本発達障害連盟の書籍で吃音を扱ったら、吃音が発達障害になってしまう。吃音が発達障害だと思われてしまう。吃音が精神障害者保健福祉手帳の扱いになってしまう。吃音児者が発達障害児者とおなじ枠になってしまう』などなどの(一般の人からすると理解に苦しむ意味不明な)感情が蠢いていることでしょう。

それでも菊池氏、原氏がこうやって発達障害業界から情報発信をする時代になった。2018年現在、吃音も発達障害として扱うことがこれから増えていくことでしょう。(さらにこれからの未来の話です。危惧されるのは、発達障害業界、発達障害業界の医療従事者の間などでも話題になっていることです。『吃音至上主義者、障害種別差別をした人が、何事もなかったかのように、シレっと、発達障害業界に入ってきて講演やセミナー、研究成果発表しちゃうんじゃないの?学会誌とかに出てくるのでは?反省して医療従事者として活動しないなんて道は選ばないだろう』という話題です。これは現実になると思います。吃音至上主義・障害種別差別をした人が普通に発達障害業界にするりと入り込み何事もなかったかのように活動すると思います。)

公益社団法人日本発達障害連盟や菊池良和氏、原由紀氏に「吃音を発達障害にするな!発達障害をあつかうところで記事を出すな!」という意味不明な抗議や公開要望書が行かないようにと。とても懸念しています。菊池良和氏や原由紀氏は吃音を発達障害にしようとしている輩だ!という流言飛語もこれから出てくるのではないかと危惧しています。


――― ちなみに、石崎 朝世氏(発達協会王子クリニック院長)などでおなじみの公益社団法人発達協会に、吃音業界の医療従事者や研究者が登壇しています

こちらは公益社団法人発達協会です。自閉症協会とも接点がある団体で50周年シンポジウムに石崎氏が登壇していました。


この発達協会ですが。
ここにも吃音業界の人が、登場しています。

発達協会には、坂田善政氏、原由紀氏、小林宏明氏がセミナーに登壇しています。こちらの方々にも、発達協会にも吃音至上主義者・障害種別差別推進派の抗議や公開要望書が行っているのではないかと心配です。
吃音を発達障害や精神障害と同じにするな!精神障害者保健福祉手帳を使わせるな!という吃音至上主義者、障害種別差別推進主義者からすれば大変ショックなことでしょう。まさか坂田氏、小林氏まで発達障害業界に接点があるなんて…と認識するからです。






登場している事実1 (ちなみに場面緘黙業界の高木氏もいることに注目です)
発達障害・知的障害のある子どもへの理解、指導・支援法、また保護者への理解・支援等について、実践豊富な講師から学ぶセミナーです。
吃音や場面緘黙のある子どもの育ちを支える-「話したいのに上手く話せない」子への対応
講師:三木江理奈(個別学習エイル)、小林宏明(金沢大学)、高木潤野(長野大学) あそびを通した発達支援-感覚と社会性の視点から
講師:伊藤祐子(首都大学東京)、大畑豊(子どもの心と発達の相談ルームここケット)
※2月4日(日)、17日(土)、18日(日)、25日(日)にも
セミナーを開催しております。
※セミナーの詳細、お申し込みは下記ホームページへ
http://www.hattatsu.or.jp
■主催
公益社団法人 発達協会  http://www.kawasaki-m.ac.jp/mw/commhw/okayamast/cms/?p=2646


登場している事実2
ことばの育ちを支援する 
評価法と多様な側面への理解と支援
経験や勘だけに頼らない、評価に基づいた指導方法を学びます。
 子どもの発達の中で、関心の高い領域のひとつが「ことば」です。「ことば」には理解、表出、音の産生等多様な側面があり、それぞれの発達や連関をふまえた上で、子どもと関わる必要があります。このセミナーでは、「ことば」の発達と障害、評価法とともに、諸側面への指導・支援法を学びます。保護者へのアドバイスにも役立つ、暮らしの中で「ことば」の力をはぐくむ働きかけ方を含め、経験豊富な講師陣がお伝えする例年、好評のセミナーです。
話しことばの障害とは
構音障害と吃音を中心に
原 由紀(北里大学)
http://www.hattatsu.or.jp/jissen_seminar_naiyou.html


登場している事実3

公益社団法人発達協会【春のセミナーご案内】
(ご案内より)
発達協会が主催する春のセミナーのご案内です。発達障害・知的障害のある子の指導に役立つ具体的な内容を現場経験豊富な講師陣よりお話いたします。
春のセミナーH 2月27日(土)
吃音や場面緘黙のある子どもの育ちを支える-「話したいのに上手く話せない」子への対応
吃音や場面緘黙がある子は、周囲の理解が足りないと話す意欲、コミュニケーションへの意欲を失ってしまう恐れがあります。彼等のコミュニケーションへの意欲、育ちを支えるためには、まず周囲の大人が吃音や場面緘黙について知ることが必要です。理解を踏まえた関わりや支援について、臨床経験豊富な講師が事例を交えてお伝えします。発音が未熟な子-機能性構音障害のある子への対応も含め、「話したくない」という思いを子どもにさせないために学びます。
①坂田善政先生(国立障害者リハビリテーションセンター)
②三木江理奈先生(個別学習エイル)
③高木潤野先生(長野大学)
http://www.fukushima-st.org/2016022728/



発達障害医学の進歩30
http://www.jldd.jp/info02/mentalretardation30/
企画・発行
公益社団法人 日本発達障害連盟
日本発達障害学会
読み書き障害、吃音、チック、発達性協調運動障害(DCD)といった「顕在化しにくい発達障害」のある子どもたちに対して、早期に気づき、適切な支援策を幼児期・学童期にわたって円滑な連携のもとに提供する体制づくりが、いま求められている。
本書では、上記の4 つの発達障害への理解を深めるために、それぞれの障害の特徴とともに、早期アセスメント手法や支援法の実際を具体的にわかりやすく解説。さらに運動と密接に関わる感覚の問題についての概説も加えた。医療・教育・療育の現場で子どもに関わるすべての方にとって、明日からの支援策を考えるヒントが満載である。
【目次】
■ 顕在化しにくい発達障害の早期発見と支援に向けて ─総論
稲垣真澄
■ チックの基本を理解する
松田なつみ
■ チックの早期アセスメントと支援
藤尾未由希
■ 吃音症の基本を理解する
菊池良和
■ 吃音症の早期アセスメントと支援
原 由紀
■ 学習障害の基本を理解する
─読みの障害(発達性ディスレクシア)に焦点をあてて
原 惠子
■ 学習障害の早期アセスメントと支援
北 洋輔
■ 不器用な子ども ─ DCD という視点からの理解と支援
中井昭夫
■ 自閉スペクトラム症の子どもへの感覚・運動アプローチ
岩永竜一郎

2018年4月18日水曜日

吃音症の高校生ラッパー 自閉症のラッパーGOMESSさんも過去に出場した高校生RAP選手権に

ヤフーニュース個人からです。全文はリンクから
この記事を提供しているのは 太田信吾さん 映画監督・俳優

記事中に自閉症スペクトラム当事者のGOMESSさんも出てきていてビックリです。
今月の世界自閉症啓発デーにも、感覚過敏な環境なところ、ステージに来てくれました。

吃音も発達障害、自閉症スペクトラムも発達障害。
将来、障害種別に関係なく、2人が共演するようなことがあればいいなぁと思いながら読み進めました。

GOMESSさんの動画

14:52から

ニュースリンク
https://news.yahoo.co.jp/byline/otashingo/20180417-00084097/
吃音症から「日本一のラッパー」目指す達磨くん(17)の挑戦
 2018年3月17日、「第13回高校生RAP選手権」が豊洲PIT(東京都江東区)で開催された。この大会は高校生ラッパー日本一を決めると言われ、「若手ラッパーの登竜門」でもある。大会で注目を集め、その後、プロのアーティストとして活躍する者も多い。例えばGOMESSさんやT-Pablowさんはここから大きく羽ばたいた。
 選手権に出るには、厳しい予選を勝ち抜かなければならない。今回は北海道、東北、関東、関西、福岡の5ブロックで予選が行われ、16名の猛者が残った。その1人が愛知県のMC名・達磨(だるま、17歳)くんだ。じつは彼は小学校低学年の頃から、吃音症(きつおんしょう)に悩まされていた。そんなハンデを抱えながら、彼はなぜラップにのめり込んだのか?何を表現しようとしているのか?今大会の奮闘ぶりと合わせて密着したので、まずは動画をご覧いただきたい。
ラップとの出会い
 達磨くんは愛知県東部の豊川市に両親と住んでいる。この街は日本三大稲荷の一つ「豊川稲荷」があり、「お稲荷さん発祥の地」とも言われている。「国府まつり」という伝統的な祭りで幼い頃から神輿を担ぐなど、生まれ育った町への思い入れは深い。中学時代は部活動でバスケットボールに打ち込んだ。音楽とは無縁の生活を送っていたが、あるラッパーとの出会いが彼の人生を変えた。それはMC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻(以下、ニガリ)というアーティストだ。テレビで放送された番組「高校生RAP選手権」でニガリのパフォーマンスを見て衝撃を受けた。飾らないラップのスタイル、地方都市に暮らす等身大の心境を綴ったリリックに感動し、「いつか自分もラップをしてみたい」と考えるようになった。だが、中学時代は実際に始める勇気が持てず、勉強と部活に明け暮れる日々。そして地元の進学高校に進んだ。
誕生日が大きな転機に
 自分でもラップをやってみたいーーその想いは募りつつも、内向的な性格は高校に入っても変わらなかった。だが、転機が訪れた。入学から半年後の2016年10月、16歳の誕生日。祝福のために集ってくれたラップ好きの仲間たちと盛り上がった勢いで、「ラップをやってみよう」と公園に繰り出した。スマホで好きなビートを流し、見よう見まねで言葉を発してみたら、意外とうまく言葉を紡ぐことができた。それ以降、達磨くんは毎日のように放課後になると地元の公園に仲間と集い、サイファーと呼ばれる野外でのフリースタイルラップをするようになった。練習は週6、7日。風呂場や食事中もラップのことを考える。国語辞典やことわざ辞典を読みながら、ボキャブラリーも増やしている。
吃音症というハンディキャップ
 達磨くんがラップにのめり込んだのには、もう1つ理由があった。じつは小学校低学年の頃から「吃音症」に苦しんでいた。吃音症とは、言葉が円滑に話せない障害のこと。100人に1人が発症すると言われている。原因はストレスや遺伝、脳神経の問題など諸説ある。治療法はまだ完全には確立されていない。
 達磨くんは自分の本名「カベヤヒロタカ」と言おうとしても、「か行」の言葉が詰まりやすく、「自分」や「俺」と言い換えている。好きな言葉を自由に発することができずに、今も苦しんでいる。しかし不思議なことに、リズムに乗りながら即興的に自分の好きな言葉を紡ぐ「ラップ」をしているときは、“詰まり”が少ないことに気づいた。以降、自信を持って練習に取り組むようになった。
普段は内向的な性格の彼にとって、ラップは自分の想いを包み隠さずに発信することのできる表現手段なのだ。


2018年4月10日火曜日

【保護者向け】子どもの興味関心、趣味、勉強などスキルの限界突破についていけないお父さん、お母さんへ

発達障害のある子どもの中には興味関心、趣味、勉強にとても強い能力を発揮することがあります。すると、お父さん、お母さんの知識レベル、技術レベル、話術で対応できない状態になり、子どもの知的好奇心、探究心・探求心を支えることができなくなるかもしれません。吃音のある子どもの中にもいるかもしれません。

お父さん、お母さん、家族の知識レベルでは対応できない状態にぐんぐん成長する子ども。どうしよう。子どもがどんどん成長していくけどこれ以上は対応できない。とんでもない集中力、大人のような言葉遣いやふるまい。家庭や学校では対応できない。家庭や学校では潰れてしまうかもしれない。どうしたらいいのか? 



そうだ!
東京大学の学生サークル(色々な濃いサークルがある)のプロと子どもを会わせてみよう。
数学のプロに子どもを会わせてみよう。
美術の専門家に子どもを会わせてみよう。
音楽のプロに子どもを会わせてみよう。
●●の専門家に子どもを会わせてみよう。
(中には、プロジェクトのメンターになる・事業説明を受けたときに、「自分も子どものころそうだった。もしかしたら発達障害かも」という自己覚知をするメンターもいるそうです)


それ以外にも、発達障害を持つ子どもが『何に興味を持っているのか。何に対して秘めた力があるのか? どのようなアイテム、どのようなことをしていたか。何を使っていたか?』を後で保護者に教えてくれるサービスもあります。




―――そこで、現在、誕生しているサービスがあります。
Branch(ブランチ)は、アスペルガー症やADHD(注意欠陥・多動性障害)などの発達障がい児と、その子供達が興味を持っている分野の学生や専門家などをマッチングさせ、発達障がい児の可能性を伸ばすWEBサービスです。
http://branchkids.jp/
説明
https://www.makuake.com/project/branch/

その道のプロ、その道に詳しい、学生や若者、大人を発達障害のある子どもに会わせてくれるサービスです。

子どもの好きなことを伸ばしてくれる。
子どもは何に興味を示しているのか。好きになるかもしれないことをあとで教えてくれるサービス。東京都内以外ではビデオチャットで可能な限り対応してくれるそうです。
東京大学と日本財団の異才発掘プロジェクトのように、とても斬新な内容です。

発達障害のある子ども。吃音のある子ども。
お父さん、お母さん、家族のみなさん。こういう選択肢もあるのですね。

【保護者向け】理容室、美容室に行けない子どもがいる保護者の方へ

発達障害のある子どもの中に。感覚過敏のため理容室、美容室に行けない子どもがいます。吃音のある子どもの中にもいるかもしれません。吃音のある子ども、大人にも感覚過敏がある場合もわかっています。


頭を触られる。
髪の毛に触られる。
ハサミが顔や頭皮に触れたときに嫌な感覚になる。
バリカンの音、ドライヤーの音に過敏。
髪の毛を切るというその流れが、工程が見える化されていなくて不安になってしまう。
美容室、理容室で泣き叫ぶ、暴れる、逃げてしまう。
暴れた時にハサミで怪我をするかもしれない。

発達障害のある子どもの中には、安心して髪の毛を切ることができない場合があるのです。

そして、その状態に困ってしまう。深刻なダメージを受けるお母さん、お父さん、家族がいます。理容室、美容室で起きたトラブル。他のお客さんやお店の人に謝る謝る。もう、お店にいけない。子どもが就寝中にこっそり髪の毛を切る。変な髪形になってしまう。髪型を誰かに指摘されからかいにあう。保護者が「しっかり育児していないのでは?」という外部の評価を受ける…。保護者がまいってしまう。

そんな中、誕生したプロジェクトがあったといいます。



―――発達障害のある子どもが安心安全な場所で、髪の毛を切るために、そらいろプロジェクトの取組

http://www.sora-pro.jp/index.html


京都に本部がある「そらいろプロジェクト」は理美容師さんが、普段、お子さんが生活拠点にしている場所に出張して髪の毛を切ってくれます。理美容室ではなく、出張してくれる。支援学校・児童館・幼児園・自宅などに来てくれる。

しかも、髪の毛を切る工程の見える化を行い。お子さんの不安。何をされるかわからない不安などを解消します。

そして髪の毛を切ることはどういうこと? という部分から切り終わるまでをサポートしてくれるのです。そして、徐々に髪の毛を切る行為を受け入れていき。最終的に理美容室に来れるといいねという流れになります。

これからもどんどん全国各地に賛同する理美容室が理美容師が増えていくと嬉しいですね。


2018年3月7日水曜日

全文テキスト化 私たちの就活 吃音とともに生きる ハートネットTV

2017年10月4日に放送された番組が番組まるごとテキスト化になっていました。

ハートネットTV 私たちの就活 吃音とともに生きる
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/summary/program/?id=44452


テキストにされていると、学校や企業団体でも印刷して利用しやすいですね。
文字起こしに感謝します。就労移行支援事業所や企業団体の人事採用担当部署でも障害者雇用と障害受容ができない場合の重要な事例として検討しやすいでしょう。


また、この放送を見たとされる、人事採用担当者の声がネット上に公開されていることがわかりました。一般枠で「障害や病気があります。吃音があります」ということの大きな不利益について語られています。たしかに今の就職活動とはこうなっています。「ガンがありました。治療していました」というとなかなか就職できないという問題と共通しています。また、吃音以外の発達障害のある学生は障害受容ができているといいます。


ハートネットTV 私たちの就活 吃音とともに生きる を視聴した人の感想
吃音のある就活生はなぜ障害者手帳を持っていない?人事採用戦略の話
http://anond.hatelabo.jp/20171012000353

筆者も、ハートネットTVを見た、発達障害のある人を支援する立場の専門職、発達障害当事者団体の人から感想やコメントをもらいました。

『なぜ。一般枠でカミングアウトするのか? 今は、オープン就労、クローズ就労という方法を医療機関、就労移行支援事業所、大学のキャリア支援センターなどで耳にタコができるほど、しつこく、強く教えるように変化してる。吃音のある人は危険をおかしてまでカミングアウトしてしまうのか。そういった情報すら共有されていないのか』といった心配の声がありました。

一方で『大手マスコミなら障害者枠で採用されたかもしれないのにもったいない。一般枠に「こだわる」あまり、使えたはずの選択肢を自ら使わないでいる。障害者枠、いや、障害者ということ、発達障害ということに偏見や差別があるのではないか? 発達障害のある学生でも一般枠と障害者枠を同時に就活する人もいるのに。吃音のある人はなぜ一般枠にこだわるのか。障害者枠として新卒で就職したあとに、仕事で実績を出して出世する人もいるのに。最初から選ばないというのはなぜだろうか?』という声もありました。


オープン就労やクローズ就労については、就労移行支援事業所として実績のある。kaien社、リタリコ社の就労移行支援事業所でも必ず教えることです。オープン就労の場合とクローズ就労の場合のエントリーシートや履歴書の書き方、書いてよいこと、書いてはいけないことの説明。オープン就労の場合は自分の取扱説明書など、障害特性の説明や苦手なこと、配慮してほしいことを別途文書にします。リタリコ社の場合、リタリコ社、当事者、勤務先と合理的配慮について話し合った結果を文書化して3者間で共有保存するという方法もあるといいます。文書化することにより言った言わない問題や、上司の異動などで合理的配慮事項が引き継ぎされないことを防ぐ目的もあるのかもしれません。

吃音者の就労。
これからどんどん課題が見えてきそうです。

2017年12月13日水曜日

【紹介】押見修造「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」実写映画に

押見修造氏の志乃ちゃんは自分の名前が言えないの実写映画が公開されるという。
これについては昨年?あたりからクランクインしたのではないかという情報がネット上で流れていました。ナタリーの記事には「吃音」を指摘する文言はないですね。うまく言葉が話せないという説明です。他メディアでは吃音を記事に入れているところもあります。
こういったところは「吃音」の難しさなのかもしれません。

フジテレビの福山雅治氏、藤原さくら氏の出演「ラヴソング」はとても吃音の苦しさ、リアル感が伝わってくる内容でした。今回の「志乃ちゃん―」は吃音についてどのような描写がなされるのか。映画公開が待ち遠しいですね。




映画 志乃ちゃんは自分の名前が言えない 公式サイト

ナタリーから(全文はリンク先で)

押見修造「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の実写映画化が決定。2018年7月より東京・新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開される。
2012年に太田出版より発売された本作は、押見の実体験をもとにした青春劇。うまく言葉が話せない高校1年生の大島志乃は、自らに引け目を感じて周囲と馴染めずにいる。しかし音楽好きでありながら音痴な同級生・加代とは、ひょんなことから交流を深めていき……。思春期を迎えた少年少女たちが葛藤や苦悩しながら、“ヒリヒリ”とした青春時代を過ごすさまが描かれる。
志乃役を担当するのは、ファッション雑誌・nicola(新潮社)の専属モデルとして活躍する南沙良。加代役はテレビドラマ「ゴーイング マイ ホーム」や、映画「三度目の殺人」などに出演する蒔田彩珠が演じる。2人は15歳同士で、互いに映画初主演作としてダブル主演で出演。劇中で披露されるという南の歌声、猛特訓して挑んだという蒔田のギター演奏にも注目だ。なお監督は本作が長編商業映画デビューとなる湯浅弘章、脚本は「百円の恋」の足立紳が手がける。
実写映画化にあたり、南、蒔田、湯浅からコメントが到着。さらに押見より「泥臭い青春映画でありながら、恥ずかしくなるほどキラキラしていて。そして、むせかえるような思春期のオーラに満ち溢れている。漫画を超えて、広く心に届く作品を作っていただいたことに感謝します」と感激の声も届いた。https://natalie.mu/comic/news/260762

2017年11月27日月曜日

ブラック企業大賞ノミネート発表 ゼリア新薬工業がノミネート 

吃音のあったとされる若者が自殺した事件のことでゼリア新薬工業がノミネートされたようです。ゼリア新薬工業の新人研修ニュースですが、その後続報がないように思えます。
吃音があったか、なかったかの視点の違いもあり、吃音業界団体もとくに公式声明を出していません。

当時のニュースの内容はこのようになっていました。
https://www.buzzfeed.com/jp/kazukiwatanabe/20170808?utm_term=.btkRy6q7w#.wdgkZv7pO


さて、2017年11月27日弁護士ドットコムニュースによると今年のブラック企業大賞のノミネートが発表されたといいます。今回のノミネート発表により、人格否定や自己否定の企業研修がなくなっていけばと思います。そういった研修がビジネスとして成立してしまう社会も変化していってほしいと考えます。

2017年11月27日現在、バズフィードジャパンからもブラック企業大賞ノミネートについて記事が出ています。
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/black-kigyo-2017?utm_term=.fdgo4AMpx#.bp6pQdv60




ブラック企業大賞実行委員会の公式ページ
http://blackcorpaward.blogspot.jp/



https://www.bengo4.com/internet/n_7024/
NHK、ヤマト、新国立関連の大成・三信建設…ブラック企業大賞ノミネート発表
弁護士や学者、ジャーナリストでつくる「ブラック企業大賞」実行委員会は11月27日、NHKやヤマト運輸などノミネート企業を発表した。ノミネートされたのは、ゼリア新薬工業、いなげや、パナソニック、新潟市民病院、日本放送協会(NHK)、引越社・引越社関東・引越社関西(アリさんマークの引越社)、大成建設・三信建設工業、大和ハウス工業、ヤマト運輸。
ブラック企業大賞は、長時間労働やパワーハラスメント(パワハラ)などを従業員に強いる悪質な企業や法人を選出している。今年で6回目となる。昨年は、新入社員が長時間労働の末、過労自殺した電通が大賞に選ばれた。大賞など各賞を発表する授賞式は12月23日に開かれる予定だ。ノミネート企業は毎年授賞式に招待されているが、これまで1社も出席したことはないという。
この日都内で会見を開いた同実行委の佐々木亮弁護士は今年のノミネート傾向について、労災・長時間労働の企業が多いと述べた。「政府の『働き方改革』という打ち出しもあり、過労死・過労自殺事件の遺族代理人の会見も多かった」とその背景について説明した。
実行委が挙げたノミネート理由の要約は、以下の通り。
ゼリア新薬工業・・・大手製薬会社。男性社員(当時22)が2013年5月、新人研修受講中に自殺した。2015年に労災と認定された。遺族は今年8月、会社と研修会社に1億500万円の損害賠償を求めて提訴したことを明らかにした。
いなげや・・・スーパーマーケットチェーン。男性社員(当時42)が2014年、脳血栓で亡くなり、労災認定された。違法な長時間労働のほか、タイムカード打刻前後のサービス残業があったことが確認されている。
パナソニック・・・総合電機メーカー。男性社員(40代)が2016年6月が亡くなった。過労による自殺と認定された。16年5月の残業時間は100時間を超えていたという。また、法人としてのパナソニックと幹部社員2人が、社員3人に対して違法な長時間労働をさせたとして書類送検されている。
新潟市民病院・・・公立総合病院。女性研修医(当時37)が2016年1月、長時間勤務がつづいたことで睡眠薬を服用して自殺した。月平均残業時間は187時間、最も長い月で251時間だった。今年5月、女性の自殺は長時間労働による過労が原因として労災認定された。
日本放送協会(NHK)・・・放送法に基づき設立される特殊法人。女性記者(当時31)が2013年7月、うっ血性心不全で亡くなった。亡くなる直前の1カ月の時間外労働は159時間37分に及んだ。労基署は「深夜に及ぶ業務や十分な休日の確保もできない状況にあった」と認定した。NHKは今年10月、女性の過労死事件があったことを発表した。
引越社・引越社関東・引越社関西・・・引越による荷物の運搬等を業とする企業。引越社関東の男性社員を不当にシュレッダー係に配転したり、懲戒解雇するなどした。さらに懲戒解雇の理由を「罪状」などと記載して、男性の顔写真を入れた書類をグループ店舗に掲示した。東京都労働委員会は今年8月、「不当労働行為」として認定した。
大成建設・三信建設工業・・・大手建設会社。東京オリンピック・パラリンピックで使用する「新国立競技場」にからみ、三信建設工業の新人男性社員(当時23)が今年3月自殺した。長時間労働による過労が原因の労災であると認定された。元請けの大成建設にも行政指導がおこなわれている。
大和ハウス工業・・・総合住宅メーカー。男性(20代)に違法な時間外労働をさせていたとして、今年6月に是正勧告を受けた。これまでにも是正勧告を受けており、一定の時間になると消灯して社員を帰宅させるなどしていたが、実際は多量の業務を課していた。男性は長時間労働の末、うつ病になり退職を余儀なくされている。
ヤマト運輸・・・宅配便事業者。昨年12月にセールスドライバーに対する残業代の未払い、今年5月にパート従業員の勤務時間改ざんで是正勧告を受けた。さらに今年9月、セールスドライバーに労使協定で定めた残業上限を超える残業を違法にさせていたとして、法人としての同社と幹部社員2人が書類送検された。
(弁護士ドットコムニュース)

2017年10月30日月曜日

2017年10月30日放送のNHKあさイチ 俳優の古原靖久氏のタメ口が注意される

シリーズ企画「出たトコ!村」は、視聴者からいただいたメールの中から訪問地を決め、リポーターのヤスくん(古原靖久/俳優)が事前取材を一切せずに現地に飛び込み、“出たトコ”勝負で地域の“ピカピカ”な魅力を探し出す企画です。
果たして今回の舞台は・・・?お楽しみに!

http://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/171030/2.html


2017年10月30日放送したNHKのあさイチ。
俳優の古原靖久氏が、出たとこ勝負でノープラン。
事前に何も調べないで、取材依頼があった村に突撃するという内容であった。
村は長野県木祖村。縁結び神社、味噌川と笹川が木曽川に変化する場所の取材をしていた。

しかし、この放送のなかで古原氏は、村人(一般の人)にタメ口で、友達言葉で話しかけているところ、感情を出すところがあった。スタジオには有働由美子氏、井ノ原快彦氏、柳澤秀夫氏、ゲストのふかわりょう氏、益若つばさ氏がいた。そしてその中で有働由美子氏と井ノ原快彦氏が「タメ口・友達言葉」を注意していた場面が放送された。

この場面は一瞬、放送されただけであったので。出たとこ村というコーナーのVTRが流れている場面の(視聴者は見ることができない)スタジオではもっと強い注意が古原氏にあったのではないか?放送終了後の反省会でもとても強い注意があったのではないかと推察する。


――タメ口や友達言葉は一般常識として注意される これが日本の常識 吃音のある人が吃音回避として使う場合はどうなるのか?
ここが大切です。吃音のある人でも無い人でも。日本文化の中においてこのような言葉遣いは怒られることがわかりました。もちろん古原氏は吃音かどうかはわかりません。ただ、あのような言葉遣い・敬語無視をすること、これは「悪いこと、無礼なこと」という常識があることはわかります。

では、本題として吃音がある人。この人が『吃らないように発話・発語する技術、人生で身につけてきた処世術、キャラ、身体の動き、言葉の言い回し』を学校や職場や日常生活、NHKの放送で使うようになるとどうなるのか?

NHKではバリバラの「ここがズレてる健常者」などが放送されている。またあさイチでも「発達障害特集」として発達障害の特性が報道されるようになった。もしも吃音のある人が「吃ることを避けるため友達言葉、タメ口を使うこともある」これが報道されれば吃音のある人も少し生きやすくなるのではないか。

一般常識として悪いこと、無礼なことだから、吃らないように常に注意しながら話すのか?吃ることがあって、そうならないように、吃音回避として「友達言葉、タメ口」になることもあるとカミングアウトしておいて、学校や仕事、日常生活で吃音回避に集中する時間をなくして、他のことに使えるようにならないか…と。吃らないようにすることに重きをおくより、この人吃音があって、たまに吃音回避で友達言葉タメ口になってしまうけど許してね程度がいいなと思うわけだ。



2017年10月29日日曜日

【記事紹介】性同一性障害の人の中に吃音者がいること報道される

朝日新聞からの報道です。
性別上の戸籍を女性に変更したという話です。
しかしよくよく読んでみると、内容が複雑です。
筆者はセクシャルマイノリティで発達障害のある人と交友はありますが。このようなケースがあることはわかりませんでした。

想像ですが。吃音の悩みがあった。2006年当時は発達障害者支援法はまだ生まれたばかり。吃音業界は派閥抗争を繰り広げており、日本発達障害ネットワーク(JDDネット)に旧言葉を育くむ親の会が所属していたが、積極的に吃音が発達障害者支援法に含まれていると周知をしていなかった時代です。もしも2006年当時に吃音が発達障害者支援法に含まれている。障害者手帳も性同一性障害ではなく、吃音を主たる障害、従たる障害をうつ?適応障害で申請すれば精神障害者保健福祉手帳を取得できたのかな?と考えてしまいます。

いずれにせよこのニュースの人も吃音業界の派閥抗争の被害者なのかもしれません…。2005年から発達障害者支援法に「吃音」が含まれている。
これが吃音業界がしっかり認識して、権利擁護をしていれば自死する人も、ひきこもりになる人も、未来が変化していたかもしれません。吃音のことを新入社員研修で指摘されて生贄になる必要がなかったかもしれません。

――性転換をしたあとに後悔したという、事例が紹介される動画です
トランスジェンダー映画『悔やむ人たち』監督×中村美亜さんトーク





 朝日新聞から一部引用。全文はリンク先から。
 自分は性同一性障害だと考えて戸籍上の性別を変えたが、やはり適合できず元に戻したくなった――。性別変更をする人が増えるにつれ、こんな悩みを抱える人が出てきた。再変更は現在の法律では想定されておらず、ハードルは高い。専門家からは「何らかの救済策が必要」との声も出ている。
 神奈川県茅ケ崎市の40代元男性は2006年、戸籍上の性別を女性に変えた。それをいま、強く後悔している。家裁に再変更の申し立てを繰り返すが、「訴えを認める理由がない」と退けられ続けている。
 幼い頃から吃音(きつおん)に悩んでいた。疎外感を抱いていた00年ごろ、性同一性障害の人たちと交流する機会があった。「自分たちの存在を認めないのはおかしい」と訴える姿がとてもポジティブに映った。「自分も同じ(性同一性障害)だ」と考えるようになり、03年にタイで男性器切除の手術を受けた。
 04年に一定の条件を満たせば性別変更が認められる特例法が施行されたため、心療内科を受診。十数回の診察を経て、複数の医師から性同一性障害の診断を受けた。横浜家裁に性別変更を申し立て、06年7月に変更が認められた。
 だが、すぐに後悔に襲われた。男性だった時には簡単に見つかった仕事が、女性になってからは断られ続け、性別を変えたためだと感じるようになった。弁護士に再度の性別変更を相談したが、「今の制度では難しい」と言われたという。
 ログイン前の続き現在は両親と離れて一人で暮らす。7月にようやくパン工場での仕事を見つけた。女性として就職したが、会社の理解を得て現在は男性として働く。「精神的に不安定な状態で申し立ててしまった。このまま生きるのは非常に苦痛で何とか元の性に戻りたい」と話す。
 11年に戸籍上の性別を変更した別の一人も、関西地方の家裁に今年6月、変更の取り消しを求める手続きを申し立てた。自身の判断でホルモン投与や性別適合手術を受け、戸籍の性別まで変えたが、現在は「生活の混乱の中で思い込み、突き進んでしまった」と悔やんでいるという。
 代理人を務める南和行弁護士(大阪弁護士会)は「戸籍の性別によって生活が決まる場面は多い。本人が限界だと感じているのであれば、自己責任と切って捨てるのは酷だ。取り消しを予定していなかった法の不備を、司法が救済すべきだ」と話す。
http://digital.asahi.com/articles/ASKBY5GNNKBYUTIL013.html?_requesturl=articles%2FASKBY5GNNKBYUTIL013.html&rm=589